宮中祭祀の一年①

【国民の幸せを願う天皇皇后両陛下の祈り】

かつて国家的行事だった宮中祭祀は戦後、「皇室の私的行事」とされ、国民に知られることはほぼなくなりました。

しかし、森深い皇居の奥では、神聖かつ神秘的な祭祀が昔と変わらぬまま連綿と続いています。祭祀を通じて神々への感謝と国家国民の安寧を願う天皇陛下の祈りは深いです。その一年を暦で見ていきましょう。

通年

【毎朝御代拝】

1年365日、毎朝午前8時30分、当直の侍従が潔斎(心身を清める)のうえ宮中三殿を天皇に代わり順次拝礼する。御代拝の間、天皇はお慎み。これに先立ち内掌典が日々のお供え物を献じる。

【旬祭】

毎月1日、11日、21日に三殿で行われるお祭。原作として1日は天皇が御直衣姿で拝礼し、11、12日はご代拝にて行われる。1月1日は歳旦祭と称してより重んじられる。

1月1日

【四方拝】

午前5時30分に天皇か黄櫓染御砲で神嘉殿の前庭にて伊勢の神官、山陵及び四方の神々を遥拝する年初の行事。ご代拝は認められない。平安時代に始められた。 天皇

【歳旦祭】

四方拝の後、宮中三殿で皇祖・皇霊・天神地祇をまつる年始の祭典。2日、3日も掌典職による奉仕がある。 天皇 皇太子(2019年5月以降は「皇嗣」。以下同)

3日

【元始祭】

年始に皇位の大本と由来とを祝し、国家国民の1月繁栄を三殿で祈る。 天皇・皇后・同妃 各宮家の皇族

1月4日

【奏事始】

宮殿鳳凰の間で掌典長が前年の伊勢の神宮及び皇室の祭祀のことを天皇に申し上げる行事。 天皇

1月7日

【昭和天皇祭】

昭和天皇のご命日に皇霊殿で執り行われる(武蔵野陵においても祭典がある)。夜には御神楽が奏される。 天皇・皇后 皇太子・同妃 各宮家の皇族

1月30日

【孝明天皇例祭】

孝明天皇のご命日に皇霊殿で執り行われる(後月輪東山陵においても祭典がある)。夜には御神楽が奏される。 天皇・皇后 皇太子・同妃 各宮家の皇族

2月11日

【三殿御拝】

昭和23年まで紀元節を祝う大祭として挙行。日本書記記載の神武天皇即位の日を国の始めとして祝っていた。占領下に紀元節が廃止されてからは、恒例祭祀ではなく思し召しによる臨時御拝として続けられてきた。 天皇

2月17日

【祈年祭】

三殿において五穀豊穣を祈念する。飛鳥時代にさかのぼる祭祀。 天皇 皇太子

*新元号2年から2月23日に新天皇のお誕生日を祝して「天長祭」(小祭)が三殿で執り行われる(天皇、皇嗣)

3月

春分の日

【春季皇霊祭】

皇霊殿で執り行われるご先祖祭。 天皇・皇后  皇太子・同妃 各宮家の皇族

【春季神殿祭】

神殿で執り行われる神恩感謝の祭。 天皇・皇后 皇太子・同妃 各宮家の皇族

4月3日

【神武天皇祭】

神武天皇のご命日に皇霊殿で執り行われる(畝傍山東北陵においても祭典がある)。 天皇・皇后 皇太子・同妃 各宮家の皇族

【皇霊殿御神楽】

神武天皇祭の夜、特に御神楽を奏して神霊をなごめる。

6月16日

【香淳皇后例祭】

香淳皇后のご命日に皇霊殿で執り行われる(武蔵野東陵においても祭典がある)。 天皇・皇后 皇太子・同妃 各宮家の皇族

6月30日

【節折】

天皇のために宮殿竹の間で行われるお祓いの行事。天皇は御小直衣の衣装。起源は平安時代にさかのぼる。 天皇

【大祓】

神嘉殿の前庭で皇族、国民のために行われるお祓いの行事。飛鳥時代にさかのぼる。 皇族代表お一人

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さつき

漫画とアニメとゲームが好きです。

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