紛争の定義としては、JICA(国際協力機構)では「少なくとも2つ以上の主体が、希少な資源(富や権力など)を同時に獲得しようとして相争う社会状況」となっています。戦争とは紛争の一つで、「武力で希少な資源を奪うこと」です。
戦争・紛争の原因
現在、戦争や紛争が世界のあちこちで起きています。そこで、戦争や紛争の原因を大きく5つに分けて紹介したいと思います。
1つ目は「民族」の争いです。民族の異なる人たちが、その考えの違いから争いを起こすことがあります。この場合、一つの国の中に複数の民族がいる時や一つの民族が複数の国にまたがっている時に紛争が起こりやすい傾向にあります。例えば、1994年にルワンダでは、フツ族とツチ族の対立により大虐殺が起こっています。
2つ目は「宗教」の争いです。世界には様々な宗教がありますが、過激な考えを持つ宗教や宗派の場合、紛争が勃発する原因になります。例えば、イスラム教のスンニ派とシーア派の対立です。これは中東の多くの国で問題になっています。
3つ目は「資源」の争いです。金やダイヤモンド、石油など鉱物資源が出る国ではそれをめぐった争いが起こることがあります。
4つ目は「政治」の争いです。例えば、一人や少人数が政治を独占する「独裁政権」が続いたときに住民がその政治に反対して、国内の争い「内戦」を起こすことがあります。例えば、ミャンマーでは軍部と民主化勢力が長い間争っています。
5つ目は「領土」の争いです。例えばアフリカの場合、ヨーロッパの国がアフリカの国を「植民地」にしていた時代に、ヨーロッパの人たちの都合で勝手に国が分けられました。定規でひかれたような国境線が実態と合わず領土を主張する紛争が起こることがあります。
現在も続いている戦争・紛争
2024年現在でも戦争・紛争は続いています。例えば以下のものがあります。
○ウクライナ侵攻
2022年2月24日、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始しました。 これは主に「領土」の争いで「政治」も絡んでいます。
○パレスチナ問題
パレスチナという地域をめぐり、アラブ人とユダヤ人が対立している問 題です。これはかなり前からの「宗教」の争いです。
〇アフガニスタン紛争
アフガニスタンは紛争が1978年から断続的に続いています。タリバンという武装した集団が政権を握り、女性の教育の機会を制限しています。これは「政治」と「宗教」の争いです。
〇シリア内戦
シリアでは、アサド大統領による独裁政権が続いているところに民主化運動が起こり、イスラム教シーア派を主とするアサド政権政府軍とスンニ派を主とする反政府軍との内戦が起こりました。これは「政治」と「宗教」の争いです。
他に、リビア内戦、イエメン内戦などがあります。
戦争はやってはいけない
ひとたび戦争が起こると、被害を受けるのは、子供や女性であることは近年の報道から誰もが分かっているとは思います。人類の未来のために地球の温暖化や飢餓問題など解決すべき課題が多くあり、戦争などやっている場合ではない、と思われます。