将棋の八大タイトル

将棋には現在8つのタイトルがあり、序列も決まっています。次の通りです。

竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖

(左側ほど格が高い)

竜王

竜王は将棋界最高峰のタイトルで、優勝賞金が4400万円と賞金額が最も高いです。1987年に前身の「十段戦」を発展的に解消して誕生し、毎年10月から12月にかけて竜王と挑戦者による七番勝負が行われます。竜王のタイトルを通算で7期以上、または連続して5期以上保持した棋士には「永世竜王」の称号が与えられます。

名人

名人はタイトルの中で、一番長い歴史を持ちます。名人戦の予選にあたる棋戦を「順位戦」と称し、5つのクラスに分かれた最上位クラスのA級順位戦の優勝者が名人戦の挑戦者となります。「永世名人」を名乗るのは、名人位を通算5期以上獲得した棋士です。通算名人在位が一番長いのは、大山康晴で通算18期です。

王位

王位の挑戦者決定リーグは、前年の好成績者4名と予選を勝ち抜いた8名の計12名が紅白2つのリーグに分かれ総当たり戦を行います。紅組・白組それぞれのリーグ1位が挑戦者決定戦に進み、勝者が王位戦7番勝負挑戦者となります。「永世王位」の称号を得るのは、王位を通算10期または連続5期以上保持した棋士に与えられます。

叡王

叡王は、2015年(平成27年)に創設された一番新しいタイトルです。現存する棋戦の中では予選を段位別で行う唯一の棋戦です。つまり、九段の棋士同士、八段の棋士同士など同じ段位の棋士同士が予選を戦い、予選通過者が本選トーナメントに進出できます。本選トーナメント優勝者が叡王と五番勝負を行い、3勝した方が新叡王となります。「永世叡王」は叡王を通算5期以上保持した棋士に与えられます。「永世叡王」に該当する棋士はまだいません。

王座

王座は一次予選・二次予選・挑戦者決定トーナメントの3段階で挑戦者を決定します。王座と挑戦者は王座戦五番勝負を戦います。「名誉王座」は王座を連続5期または通算10期以上保持した棋士に与えられます。

棋王

棋王は予選、挑戦者決定トーナメント・敗者復活戦・挑戦者決定戦で挑戦者を決めます。挑戦者は棋王と五番勝負を行います。「永世棋王」の資格は、棋王を連続5期以上保持した棋士に与えられます。

王将

王将は一次予選・二次予選・挑戦者決定リーグにより挑戦者を決定します。挑戦者は王将と七番勝負を行います。「永世王将」は王将のタイトルを通算10期以上保持した棋士に与えられます。

棋聖

棋聖は一次予選・二次予選・決勝トーナメントの3段階で挑戦者を決定します。挑戦者は棋聖と五番勝負を行います。「永世棋聖」は棋聖を通算5期以上保持した棋士に与えられます。

現在の将棋界

2024年9月現在、叡王を伊藤匠叡王が持ち、そのほかの7冠を藤井聡太七冠が持っています。藤井聡太七冠は22歳でタイトルを早くも通算24期(2024年8月現在)獲得しており、七冠を達成した羽生善治九段の通算99期をいずれ抜くのではないかと言われています。羽生善治九段はまだ現役で、タイトル獲得通算100期を達成する可能性が残されています。

タイトル戦は各地の高級旅館、名所で行われることが多く、タイトルを獲ることを目標としている棋士も多いです。当たり前のようにタイトルを獲得していく藤井聡太七冠は棋士の中でも別格中の別格と言えます。ちなみに女性の棋士はまだ誕生していません。AIの活用など将棋界も変わりつつあり、筆者のような羽生世代の将棋ファンも注目しています。

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Jack

他の人より遅れて某大学に入学しました。物理学を専攻し修了までこぎつけました。それだけが取り柄です。サイエンスについて書かせていただきます。

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