知覧を知る
筆者が知覧のことを知ったのは、もう20年以上も前、受験数学の雑誌の巻頭言に載っていたからでした。おそらく高齢だったその雑誌の編集長が知覧について寄稿していました。
そこで部分的に覚えているのは、その編集長が「知覧に行って英霊に謝罪をしたい」旨のことを編集長の友人に言うと友人は「知覧に行ったら涙が止まりませんよ」と返した、というくだりだけです。もう一つ、出撃を控えた隊員たちが子犬と遊んでいるところを写した写真も載っていたことを思い出しました。
知覧は特攻隊の基地だった
その巻頭言で太平洋戦争中の神風特攻隊の出撃基地の一つが知覧飛行場であったことを知りました。特攻隊については、小学校の社会の時間に習っていましたが、なぜかその雑誌の文章を読んでから、知覧飛行場について興味を持ち、行ってみたいと思うようになりました。
当時はまだ20代でいつか行けるだろうと軽く思っていましたが、病気を患ってもう50代の半ばになり知覧に行くのも生涯に1回行ければいい、という状況になってしまいました。何と言っても九州は遠いです。
筆者の20代の頃はインターネットは発達しておらず、最近になって知覧には特攻平和会館などの戦争を伝える施設があることを知り、インターネットでも写真などで知覧のことを知ることができますが、やはり自ら知覧の地に行ってみたい。
そんな頃、偶然、卓球のパリオリンピック代表の女子選手の一人がパリから帰国後「鹿児島の特攻資料館に行きたい」と発言し国内外の注目を浴びました。若者が戦争のことを知り、再び戦争を起こさないようにすることはとてもいいことだと思うのですが、それを機に女子選手のSNSの中国人や韓国人のフォローワーが減ったというのです。やはり、戦時中の日本軍は評判が悪いようです。
もう戦争はしない
太平洋戦争当時の日本軍についてここでは語りませんが、特攻隊に入り太平洋に散った若い命について日本人がいつまでも語り続けるしかないと思います。今の平和な日本があるのも彼らのおかげで、10代、20代の青年が日本が最後には戦争に勝つと固く信じ敵の艦船に飛び込んでいくというのは筆者には想像もできません。これからは若者が命を投げうたなければならないような状況を作り出さないようにしなければならないと思いました。
国際情勢は厳しい
しかし、現在の国際情勢を考えると、アジアだけでも中国、北朝鮮などの脅威となる国が存在します。中国は台湾を狙い、北朝鮮は韓国を敵国とみなしています。もう世界大戦は起きないと固く信じますが、かつて戦争に散った先人たちの死を無駄にしないよう人間の知恵、理性を発揮することを望みます。