
息をしていることが
こんなに新鮮だとは
窓から鳥のさえずりが聞こえる
もうすぐ朝なのかな
朝が来ることが
こんなに幸せとは
そういう幸せが
こんなに近くにあったとは
近くにあるほど
案外見えにくいもの
気持ちの良い薫風
外を出るまで忘れていた
生きていて
本当によかった
もう生還できないのではないか
そこまで考えた苦しい夜
コップ一杯の水さえ
上手く飲めず 喉を詰まらせ
感覚が鈍っていく
ゴクゴク飲めていた喉に戻りたい
かすれ声でも喋りたいことはたくさん
映画を観たい
美味しいものを食べたい
散歩をしたい
詩を書きたい
今 こうして詩が書けていること
内に秘めた心の声を
叫び出す この時
再び本気で生きようと思えた
生きる喜びをかみしめながら