ふと鏡を見ると
そこに私がいる
母にはあまり似ていない
父によく似ている その顔
姉は 母と父のいいとこ取りの美人
ちょっと不満げな私
不器用 真面目 几帳面
中身まで父によく似てしまった
今はもう空の上にいる父
病気さえしなければ
まだまだ生きられたはずだった
生きていたら どんな老後を過ごしていただろう
切手収集と読書、映画や音楽鑑賞が趣味だった
食いしん坊でなんでもたくさん食べていたね
でも 記憶とは曖昧なもので
父の顔をはっきりと思い出せなくなっている
なのに 鏡の中の私は 父の顔
それは 自覚できる
大人になったら 父とたくさん話がしたかった
お互い下戸だから カフェでお茶でもしながら
なんでも一番じゃないと気が済まなかったね
成績も超優秀だったと聞いたよ
私の父は そんな人