玄関を開けると
ほんのり甘い香り
柔らかく包み込んでくれるようなかんじ
今年も顔を出してくれた庭の金木犀の花たち
今年は花がいっぱいついたね。
と母と話す
昔 「キンモクセイ」というバンドが好きだった
そんなことを ふと思い出す
若かったなあ
あれから何年も経つけれど
病気になってしまった我が身を思うと
やはり 悲しくなってしまう
病気の進行につれて
当たり前の約束も守れなくなり
また 精神の病という恐怖からか
疎遠になっていった友人たち
我が家の金木犀は
必ず一年に一度
その木に花をつけて
慎ましくも姿を現してくれる
そして いつだって
孤独な心を癒してくれるのだった
大丈夫だよ と