雨の季節がもうすぐ来る。
でも傘を持つのはあまり好まない、手がふさがるのが嫌だからだ。
幼い頃は、雨の音が怖かった。だけど、今はとても好きだ。
田舎育ちで家の周りには、田んぼが沢山あった。雨の時期には、その田んぼの中に居たカエル達も、ここぞとばかりに鳴く。雨の中の大合唱だ。
ある雨の夜、雨の音がとても大きく、怖くて、お母さんを呼んだ。
お母さんは、雨には色んな雨があるのよ、そう言った。
強い雨の音を聞くと、お母さんは、大地に水を沢山あげているんだなぁ
木や草花もとっても喜んでいるだろうなぁ
静かに降る雨は、誰かの心に寄り添いながら降っているのかなぁって、そんな風にお母さんは思うのよ、そう話してたんだ。
幼い日の、お母さんの話が今も心に残っていて、
間もなく訪れる雨の季節を、待っている。