SUCCESS NET NOVEL #05
2025年2月 なろう等のネット小説で諸々成功した作品 愛及屋烏
幼女戦記
Continuation from last page. 05-2 https://no-value.jp/column/99850/
幼女戦記食堂
どうしてこうなった…? でも…おかわりっ!
大ヒット作「幼女戦記」になぜかごはんスピンオフが爆誕!!! ターニャの舌鼓は?ヴィーシャの悪食は!? キャラクターの意外な一面が盛りだくさん、 文字通りの垂涎…間違いなしです!
原作はカルロ・ゼン、キャラクター原案は篠月しのぶとそのまま。 そして、イラストレーター兼漫画家の京一によるスピンオフ・コミカライズ。
何故、そちらの方向にスピンオフを?と微妙に疑問なのだが、面白いのでこれもアリ。大戦時の独国の台所事情も微妙に窺い知れる作品に仕上がっている。
原作の本編中にデグ様がのんびり出来る、平時というのが少ないので、こういうのも貴重である。
『幼女戦記』世界における国家群
基本的な軍事水準は史実の第二次世界大戦レベル+魔導技術だが、「第一次」にあたる世界大戦はこの戦争が初めてであり、要する国力と人員、死者数の大きさは、各国とも経験した事のない莫大な量を投入する羽目になっている。
帝国
新興の軍事国家。ライヒとも呼ばれる(ドイツ語で「ライヒ」は帝国を意味する)。
大陸の中央にあり、周囲は別の国とばかり接している。
突出した軍事力を持つ為に周辺国からは潜在的脅威と見なされていた。
周辺国ほぼ全てから敵視される事で、軍事・政治共に奇跡的にバランスが取れていたが、包囲網の一角たる協商連合が倒れた事で世界大戦に巻き込まれていく。
元々軍備は敵の侵攻を退けることに主眼を置いた内線戦略を取っており、
複数の戦線を相手しても耐えられるほど強大だが、拡大した戦線の維持と長引く戦争で徐々に疲弊していく。
一方でシステムとしては完璧のようで、物資と人員が続く限りは正確無比な戦争機械として振る舞える。
完全に内線戦略に特化しすぎたせいで外征が全く考慮されておらず、ろくな侵攻計画がないまま各国と開戦、
大局的に無茶な戦略を、現場での戦術的勝利を積み重ねて、ギリギリ綱渡り的に維持・対処をしている。
史実におけるド〇ツ帝国のポジションだが、この世界においては第一次世界大戦時と第二次世界大戦時が入り混じった様な政情になっており、少し事情が異なる様子。
なお、劇中40年後のアンドリュー・レポートにて大戦には負けた事が明かされている。この辺も史実通り。
レガドニア協商連合
帝国の北にある国家。列強だが、国力では主要国から大きく引き離されており、対帝国でも全軍を持って帝国の北方方面軍と何とか渡り合える程度でしかない。
軍事力は完全に劣っているにも関わらず、ナショナリズムの暴走で帝国に勝てる訳も無い戦争を吹っかけてしまい、泥沼の大戦の引き金となる。
戦線はノルデン。共和国の参戦や連合王国の支援、寒冷地である地形を利用して粘っていたが、オース・フィヨルドの陥落で補給線を絶たれて戦線が崩壊。
2巻時点で首都を含む全域が占領され、事実上降伏。以後帝国の占領統治下で解放の時を待っている。
フランソワ共和国
帝国から西にある国家。
協商連合の劣勢により帝国の拡大を警戒して宣戦布告。 しかし、単独の国力では帝国に劣っているが、一進一退の泥沼の様な戦場が繰り広げられた。
しかし、帝国側の大胆かつ緻密な引込作戦に引っ掛かり、右翼主力部隊の多くを地下に設置した爆薬で吹き飛ばされ、残された主力部隊も包囲殲滅され壊滅。
そのまま帝国に首都パリースイィを落とされるが、残党勢力が植民地に亡命政権を樹立し、連合王国の支援の下で戦い続けている。
史実におけるフラ〇ス。戦線はライン。 銃弾砲撃の雨の中、塹壕で耐え凌ぎながら多数の兵士が命を落とす、最も過酷な最前線。
3巻時点で降伏。これが「帝国の最良の時」と後世に言われる。
アルビオン連合王国
帝国より北西の国。
情報戦に長けた紳士という名の外道の国。
表向きは中立だが、反帝国の立場を明確化しており、協商連合と共和国への支援で参戦国を共倒れさせようとしていた。
島国な上に強大な海軍を持つ事から帝国の進攻を防いでいる。
海峡を挟んで制海権を確保されているため、帝国からは非常に攻めづらい。
ただ、連合王国側としても陸軍はそこまで精強ではなく、ひとたび上陸されれば非常に脆弱。
まぁ、上陸されない為のロイヤル・ネイヴィーでもあるのだが。
「ウルトラ」というコードネームで呼ばれる非常に重要な情報源から帝国に関する機密情報を得ている。
その正体は暗号解読機で丸裸にされた帝国のあらゆる暗号通信であり、その存在を帝国軍が疑う事すら避けねばならない程の存在らしい。
史実におけるイギ〇ス。 やはりというか食事は不味く、紅茶をこよなく愛する。
ダキア大公国
協商連合に呼応して帝国に宣戦布告した国家。 帝国領ダキアを巡る領土問題を帝国と抱えており、多数の戦線を抱え込んだ帝国の後背を付く形で宣戦。
60万という額面だけなら巨大な兵力を誇るのだが、その実態は航空戦力は無く、対空兵装もお粗末、兵士は兵農混成という中世の様な構成であり、軍事力は最低クラス。
そもそも、近代戦すら理解出来ているのか疑問が残る、という時代遅れな国家であり、本来は帝国とは比べる事すらできない程の小国。
結果、隊列更新や対騎兵の方陣を組むなど時代錯誤な行動を取ってしまい、先方の三個師団を一個大隊に壊滅させられた挙句、「帝国第七航空艦隊の爆撃と南方軍7万による60万の蹂躙戦」の末首都に侵攻され、わずか6週間で敗北した。
史実におけるル〇マニア。この極端なやられっぷりからするに、第一次大戦でのルー〇ニア戦線のトランシル〇ァニアの戦いが元ネタらしい。 (44万で攻めて、25万の兵と領土の3分の2を失った戦い)
イルドア王国
帝国の南にある国。 情勢的には中立国で、帝国とはある程度友好関係にある。ただ、やはりというか帝国は考慮する事すら拒否しているが、帝国との間に未回収の領土問題を抱えていたりする。
兵力も郷土軍に近く戦力としてはあまり評価されないが、中立国として戦火が及ばないために国力を維持し続けている事と、所持する戦艦の完成度だけは本物。練度を考慮に入れなければ。
航空部隊はそれなりに高い練度を誇る。
しかし、装備体系は混乱しており、各国からの輸入品が混在しているが、それは同時に各国との深い関係を示唆している。
ダキアと違って自分達の軍隊が張り子の虎であると熟知しており、理解してなお帝国南方への牽制を行い、一定の戦力を貼り付けさせて、遊兵とする事が出来る狡猾さを持ち合わせている。
財政基盤が少々脆弱で、その所為で帝国と連合軍に二股をかけざるをえない状況にある。
しかし帝国と開戦する国が増えていく中、数少ない帝国との中立国として、帝国からも連合国からも一目置かれる存在となり、かつ大戦への直接参戦は最終局面まで巻き込まれないよう、外交努力に全力を注いでいる。
史実におけるイ〇リア。
ルーシー連邦
帝国から東にある共産主義の超大国。
帝国最大の仮想敵国の一つであり、協商連合や共和国と開戦しても対連邦の兵員は配置転換が行われない程。
コミーの巣窟として、ターニャはこの国を最も敵視している。
また、連邦東側では秋津洲皇国(史実における大〇本帝国)との国境紛争を抱えている。
広大な国土を持ち、質では劣るものの、圧倒的な物量による戦いを得意とする、粗雑ながら巨大な暴力機械。
また冬季の寒さも厳しく、雪が降ろうものなら戦争なんてやってられない。
兵士は畑で採れるとも言われており、いくら損害を与えようともなかなか動じる事はない。
それ故莫大な戦略予備があり、親衛隊から平然と四個師団が抽出されてきたり、本格動員前にもかかわらず帝国方面のみに百七十五師団の兵力を即時投入する等、物量は常識はずれの域に達している。
魔導師は旧体制に味方していた関係でまとめてラーゲリ送りにされており、その結果軍に魔導師が非常に少なかったが、青春に情熱をかける同志ロリヤの「階級の敵同士を争わせる」というギリギリの提案により、それなりの数の魔導師が解放されている。
連邦から帝国に宣戦布告、それを察知していた帝国が、うっかり我らがターニャに行動を許した結果、首都モスコーでやりたい放題され、退くに退けなくなってしまった。
帝国を倒すという共通目的の為に、他の連合国とも協調体制をとってはいるが、共産主義者として、国家間の信頼は皆無。連邦の側も受け入れる人員を限った上に検閲を敷いている。
史実におけるソビ〇ト連邦。
合州国
西の海の向こう側にある民主主義の合衆こk……超大国。
非常に強大な国力を有しており、作中では「かの国」と呼ばれることが多い。
合州国の参戦は帝国にとって破滅を意味する。
建前は中立ということになっているのだが、「トラクター」や「精密時計」等の「工業製品」を連合王国などに輸出している。
帝国も察知してはいるのだが、下手に船を拿捕や撃沈すれば合州国の国民感情が悪化し、合州国参戦!!に至りかねないので下手に手を出すわけにもいかず、非常に悩ましい問題となっている。
史実におけるア〇リカ合衆国。
後述
前提となる現実世界での大戦時の大まかな情勢が頭に入っていると、その差異も含めて『幼女戦記』を楽しむ事が出来る。
アニメ版のキャラデザは好みが分かれるだろうが、キャスティングは文句無しだし、OP・EDも素晴らしい。特にEDの「Los! Los! Los!」は所謂キャラソンの範疇に収まらない、悠木女史の渾身の一曲である。
元々相当のキャラソン達人だったのだが、ちょっとシンフォギアで歌の経験値を貯め過ぎた節がある。 後年のなろう系の『蜘蛛ですが、なにか?』のED曲でも思ったのだが、幼女戦記のデグレチャフに限らず、化物・人外の役も増えて、役どころか歌の幅まで凄い事になっている。
END.