まんがで読破の赤と黒を読みました。
赤と黒のタイトルの意味は、赤は軍服、黒は司祭と言う意味で、主人公のジュリアンは黒の司祭で社会の頂点を目指します。
そして、恋あり、決闘ありで主人公のジュリアンは出世していきます。
凄いエネルギーをもっているジュリアンですが、最後はトラブルから裁判にかけられ、死刑になります。
赤と黒は実在した事件から生まれました。恋愛の心理やその当時の政治状況をふんだんに盛り込まれた小説です。
まんがで読破の赤と黒の登場人物
ジュリアン・ソレル
野心家の人物。美貌あり、才気活発。しかし下層階級の出身。その為かプライドが高い。
ルイーズ(レナール夫人)
レナール町長の奥さん。信仰心が篤い。綺麗で控えめな女性。ジュリアンが打つ銃に打たれてしまい大けがを負う。
マチルド
ラモール侯爵の令嬢で、高慢であるが美しい女性。才気があり、退屈な社交界に飽き飽きしている。
レナール町長
貴族の人間。ヴェリエールの町長を務める。
まんがで読破の赤と黒のあらすじ
レナール町長は息子の為に家庭教師を雇います。
その家庭教師がジュリアンで、その後ジュリアンはレナール夫人と関係を持ちます。
しかし、レナール夫人の子どもが病気になっていまい、神から受けた罰だと思ってジュリアンとの関係を後悔します。
それと同時に、レナール家に雇われている、使用人の女性が教会にジュリアンとレナール夫人の関係を密告します。
その為、町の噂となり、ジュリアンは神学校に戻ります。
出世の道が絶たれたと思うジュリアンはその気持ちと同時に、初めて愛を受けた感情、初恋の人との別れを噛みしめてレナール家から出ていったのでした。
神学校では、いやいや来ている人、平凡な真面目タイプ、ライバルになりそうな人間、とジュリアンは見ます。
自分の実力ならばトップにいくのは容易いと睨みます。しかし、告解師選びを敵視されている校長を選んでしまい、自分の実力で頂点に立たたないと、一生しがない神学生だと分かります。
それが分かり勉強をガンガンやるジュリアン、テストでは全科目満点をとります。
それが校長を敵視している人間から目障りなのでした。
その後、罠にかかり宗門外の詩人を知っていると言うジュリアン。校長を敵視している人間から罪深い思想に興味を持っていると指摘されてしまいます。
そして、争いに巻き込まれて、嫌気が差した校長はジュリアンと共にパリへ行く事になります。
パリへ発つ前に、レナール夫人に会いに行くジュリアン。
ジュリアンは自分の実力と情熱でレナール夫人から愛を勝ち得たと自信をもってパリへ行くのでした。
パリで、マチルド嬢に馬鹿にされたり、ジュリアンが決闘を申し込んだりして波乱がありますが、ジュリアンは自分の実力で上に登っていくのです。
マチルド嬢はそんな退屈を感じさせないジュリアンに興味を抱き恋心を抱きます。
そして、マチルド嬢と関係を持ちます。
その後トントン拍子でマチルド嬢のおかげで出世の道を突き進みます。
しかし、その道も教会の人間によって罠を仕掛けらます。
レナール夫人は半ば強制的に、神父によってジュリアンを悪く言う手記を書かせられます。
そして、ジュリアンは勘違いから復讐心をもってレナール夫人を銃で撃つのです。
幽閉されるジュリアンの元へ、マチルド嬢は駆けつけます。
そしてレナール夫人は運良く生きていると知らせるのです。
その後、裁判にかけられるジュリアンですが、陪審員を全て買収したマチルド嬢によってジュリアンが計画性が無かったと言えば無罪を勝ち取れる裁判となります。
しかし、ジュリアンは計画性があったと言うのです。
そして、死刑判決を受けるのです。
控訴するようにジュリアンに言うマチルドですが、ジュリアンは無視します。
その後、レナール夫人が面会に訪れます。そして、愛を知る事ができたかもしれないとジュリアンはレナール夫人に抱き締められて思うのでした。
最後はマチルド嬢がギロチンにかけられたジュリアンの頭を持ち、死んだジュリアンの額にキスして終わりです。
ジュリアンの目的とは?
ジュリアンは下層階級にいる人間でした。
木こりの息子として生まれたのですが、その当時は、生まれによってすべてが決まる時代でした。
その為、権力を握るには、黒の服、司祭になるしかないと睨みます。
赤の軍服の時代ではもうないのですね。ナポレオンは自分の努力によって皇帝まで登りつめた人でした、そんな人間になりたいと願うジュリアン。ナポレオンを尊敬しているジュリアン。
ジュリアンは自分にある才能に気付きます、それは恋の能力です。その能力を遺憾なく発揮してレナール夫人と関係になり、マチルド嬢とも関係を持ちます。
そして、ずいぶんと出世していきます。ジュリアンは自分の力で頂点を目指すために生きます。
その目的は完遂されたのではないでしょうか?でも最後はギロチンにかけられて死んでしまいますが…。
ジュリアンは愛を知らぬかげろう?
後半でレナール夫人を撃った事により裁判にかけられます。
貴族はジュリアンのエネルギーを恐れていたのです。ジュリアンの様な人物が革命を起こして、貴族をギロチン送りにするのだと…。
そして、裁判の時にジュリアンは言うのですね。
僕はあなた方を脅かす危険思想者だ!僕を有罪に!僕を死刑に!本当はこの僕が怖いんだろう?貴族(ブタ)ども
イーストプレス
そして、陪審員から悪印象を与えて死刑になるジュリアンなのでした。貴族もきっと安堵したのではないでしょうか?
ジュリアンはまんがで読破の最後らへんで言います。
愛ってなんだ? かげろうは夜を知らない かげろうは朝水中から羽化して夕方には死んでしまうから あと数時間生きていれば 夜を見られただろうに……僕はかげろう 愛を知らぬかげろう あと少しこの女性と暮らせる時間があれば…僕にも理解できたかもしれない 愛を!
イーストプレス
ジュリアンは可哀想ですね。
生まれてからずっと孤独で勉学に励み立身出世を目論見、実行してきました。
人生は騙し合いだと思っていたようですので、人格が歪んでしまったのかな、とまんがで読破の赤と黒を読んで思ってしまいました。
人間だから悪い方向に行くときもあるかと思います。最後は愛を知っていればまた違う人生もあっただろうとジュリアンは思ったかもしれませんね。
まとめ
スタンダールの赤と黒は傑作なので、機会があれば読んでみたいと思います。
まんがで読んだのみなので、あらすじは把握しましたが、きっと活字で読んだらきっと違う味わいや著者のスタンダールの考えも知る事ができると思います。
何かで読んだ記憶があるのですが、マンガのデスノートはスタンダールの赤と黒と、ドストエフスキーの罪と罰を下敷きにして書かれたマンガだそうです。
名著の影響力は凄いですね。