まんがで読破シリーズの若きウェルテルの悩みを読んだので紹介します。
若きウェルテルの悩みは青年期に誰しも経験したことがあるであろう葛藤を小説にしたものです。
若きウェルテルの悩みの主人公は最後に自殺してしまいますが、小説が流行した際には実際にこの若きウェルテルの悩みの影響で自殺者が増えたそうです。
今の時代、有名人が自殺するとその影響で若年層に自殺が流行するのをウェルテル効果と呼びますが、ゲーテが書いた若きウェルテルの悩みから取られた名前です。
そんな、まんがで読破の若きウェルテルの悩みを紹介します。
登場人物紹介
ウェルテル
自意識過剰な青年、社会を厭世的な目で見ている。大人になりきれていない子供のような青年。
ロッテ
9人兄妹の長女である。母が亡くなりその代わりを全うしようと奮闘しているが、精神的にも肉体的にも疲れているようである。その状況を許嫁は見抜いている。
ウィルヘルム
ウェルテルの昔からの親友。ウェルテルと手紙のやりとりをしていて徐々にウェルテルの心が悪い方向に行くのを危惧していた。まんがを読むと、最後はウェルテルの墓で泣き崩れる。
アルベルト
ロッテの許嫁。善人。
作男
女主人に恋をしている。女主人と両想いのようだが、しかし、最後は謀略を女主人の弟から仕掛けられてその恨みから、謀略の関係者を殺害してしまう。
まんがで読破の若きウェルテルの悩みのあらすじ
主人公のウェルテルは、都会の人間関係や喧噪から逃れるために田舎にやってくる。田舎では絵を描いて過ごす。
回想シーンがあり、都会で友人のウィルヘルムと話す。話したことは、幼馴染の事だった。その幼馴染の女性はウェルテルによると素晴らしい魂の持ち主だった。しかし、病気で死んでしまう。
幼馴染が死んでしまった事が、ウェルテルの心を闇に落としてしまった。
そして、ウェルテルは都会から離れた。
都会から離れて田舎で過ごすうちに、ロッテと出会う。
ロッテは兄妹の母親代わりを懸命に務める素敵な女性でウェルテルはロッテに惚れてしまう。
しかし、ロッテにはすでに許嫁みたいな人がいて相手がいるのであった。
ロッテの許嫁であるアルベルトは旅に出ていたがロッテのもとへ帰ってくる。
その事がウェルテルの心を乱してしまう。
アルベルトは立派で尊敬できる人物である事がさらにウェルテルを追い込んでしまう。
アルベルトはロッテが母親代わりを務めるために気を張っている事をアルベルトは見抜いているのであった。
そして、アルベルトは言うのであった、自分は彼女を守るのが役目なのだと。
ウェルテルはそのように言うアルベルトに賛成するのであった。しかし本心はウェルテル本人がロッテを支えたかっただろう。
その後、ウェルテルはロッテの屋敷に通うが、アルベルトが持っている銃に興味を抱くウェルテル。
ウェルテルが銃口を覗きこみ、その行動をとがめるアルベルト、おもちゃではないんだぞ、というアルベルト。
そしてアルベルトは巷でよくある自殺はやめてくれと言う。
それからアルベルトの自殺がいけない理由を言うが、ウェルテルも言うのであった。
正論ばかりがきれいに世の中に埋まっていくとは思えなくてね……不合理な死でもときには人の救いになるときがあるんじゃないかな?
イーストプレス
その言葉にアルベルトは困惑するのであった。
その後ウェルテルはこの地を去らねばならぬと決めるのであった。
そして、ウェルテルは仕事に就くが心が空虚のまま過ごしていく。やはりロッテの事が思い出し、その地に戻る。
ロッテはアルベルトと結婚しており夫婦になっていて、ウェルテルは二人に祝いの言葉を言いにきたと言うが、すぐに帰ってしまう。
心の中の激情を抑えられないウェルテル。
作男の話題を思い出し回想するウェルテル、作男には好意を抱いている未亡人の女主人がいた。二人は両想いだったが、女主人の弟が遺産を取られると思い、謀略を仕掛ける。
それに怒った作男が謀略を仕掛けた関係者を殺害してしまう。
その話をウェルテルは聞いて喜ぶ。そしてウェルテルはロッテを殺害して永遠にひとつになろうと企てる。
しかし、正気の心を思い出し、昔、出会ったばかりの頃の思い出に浸り、ウェルテルは朝日を見て狂気と悲惨の感情に勝ったのだと悟る。
しかし、その後ウェルテルは
次の嵐を切り抜ける力はない
イーストプレス
と悟り自殺してしまう。
最後はウェルテルの墓前で親友のウィルヘルムが泣き崩れていて、この漫画で読破の若きウェルテルの悩みは終わりです。
失恋したウェルテルに思う事は?
誰でも恋をした事はあるかと思いますが、ウェルテルのような激情を持ち自分を滅ぼすような事は少ないかと思います。
しかし、恋が実らず破滅的な行動をしたり、その人の事が忘れられないのはよくある事だと私は思います。
この若きウェルテルの悩みという小説はゲーテの実体験から書かれた小説だと言われています。
ゲーテはその恋の苦悩を小説にして昇華したから生きられたと思いますが、大半の人は恋破れて苦悩と共に生きていくのが多いでしょう。
失恋しても時間が解決してくれると私は思います。
じっと耐えていけば、また素晴らしい異性に巡り合える事ができれば人生をより良いものにできるでしょう。
私はまんがで読破の若きウェルテルの悩みを読んで思った事は、ウェルテルが銃を手に入れてロッテを殺害しようとする場面でウェルテルが良い思い出に浸り、夜中に自分の狂気と失恋による悲惨さを耐えた後に訪れた朝の光がウェルテルの新しい再生だと感じました。
最後にウェルテルは自殺してしまいますが、生きていればロッテとの出会いも良い思い出に出来た事でしょう。
まとめ
若きウェルテルの悩みはゲーテの実体験を元に書かれた小説です。
ゲーテは言います。「もし生涯に『ウェルテル』が自分のために書かれたと感じるような時期がないなら,その人は不幸だ」と。
恋の激情と戦った経験は辛いですが、あとになると良い思い出になるかと思うので、ゲーテの言う通りそのような経験がない人は不幸かもしれませんね。