ヴィーガン②

前回のヴィーガン①の続きです。よろしくお願いします。

飢餓

実は飢餓を生んでいるのも畜産業の影響が大きいといわれています。食べものに困っている人たちが世界には約8億2000万人もいるそうです。

世界では穀物が年間26億トンもつくられています。

しかし、この十分に作られている穀物は苦しんでいる人たちには届かず牛などの家畜に届いているのです。

そしてそこで作られた肉などは豊かな人に食べられるという循環になっています。

この豊かな国で行われている循環が地球と飢餓に困っている人たちを苦しめてしまっているのです。

動物愛護

私たちが当たり前に食べてる肉などが一体どのように作られているか普段気にかけたりしませんよね。

私もスーパーで売られているのを当たり前だと思っていましたし、外食もそうでした。でも不思議ですよね。

安くて、大量に、いつも供給されているのはなぜなのか?

秘密は工場式農場にあります。

私たちが思い浮かべる農家の仕事とは正反対で、まるでモノのように扱われ機械的に処理されていきます。

現場は凄惨で実際に見聞きしたり、映像を見てショックを受けヴィーガンになる人も多いそうです。

健康

WHO 国際ガン研究機関の調査では発ガン性グループが分けられていて畜肉が発ガン性の可能性があると発表されました。

ちなみに加工肉、つまりハムやソーセージやベーコンなどは発ガン性があると発表されています。これはタバコやアルコールと同等だそうです。もちろん賛否両論あります。

日本の食生活の歴史

日本人の食生活の歴史はヴィーガンとまではいえなくとも、かなりベジタリアン的だったようです。

殺生を禁止する仏教の影響です。

仏教が日本に伝来し、675年に初めて肉食が禁止されました。肉食禁止令です。

律令国家体制を敷き、日本の礎を築かれた天武天皇によって発令されました。仏教の影響だけでなく稲作を奨励する目的もあったようです。

しかし、厳密にいうと肉食が全体的に禁止されたわけではありませんでした。

牛馬犬猿鶏以外の動物を食べることは禁止されていなかったからです。魚介類はもちろん、狩猟によって得られた肉は食べられていました。

正確に言うと日本人はあまり肉を食べてこなかったということになります。

しかし、この禁止令によって日本では肉食を忌避する文化がつくられました。

現在、和食は国際的に健康的で美味しいと認められていますよね。特に寿司は世界的なものになりました。

食材の素材の味を生かし、季節ごとの旬の味を楽しめる和食は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。

しかし精進料理や懐石料理のように、いかにもヴィーガン的な日本を代表する和食がある一方で、すき焼きや牛丼、肉じゃがなどの国民食も和食です。焼き肉も同じですね。

肉食が禁止されていたのに不思議だと思いませんか?

なんと日本人が公に肉食をするようになったのは明治時代以降なのです。比較的最近なんですね。

歴史的に実に1200年もの間、肉食が禁止され忌避されてきたにも関わらず一体なぜ肉食されるようになったのでしょうか?

背景には西洋が力をつけて世界を席巻し日本も巻き込まれるかもしれないという危機感により、変わらなければならないという決断でした。明治維新です。これにより西洋文化を本格的に取り入れることになりました。

その結果、肉食禁止が解かれることになりました。

だからといって肉食が庶民にまで浸透するのは、これまた最近の昭和以降なんです。

主にアメリカが相手の太平洋戦争が終結した1945年8月以降で「戦後」とも呼ばれます。

戦勝国のアメリカの影響で日本人が本格的に肉食するようになって現在があります。

このように日本人の食卓に当たり前のように肉が並べられるようになったのは本当に最近のことなんだということがわかります。

おわりに

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

ヴィーガンの意味や、なぜ現在注目されているかを何となくおわかりいただけたでしょうか?

だからといって、今すぐヴィーガンになる、なれ、というのは極端な話です。

全ての肉が同じように環境に悪影響を与えている訳ではないし、植物由来の食物でも水や土地への負荷を多く必要とするものもあり、賛否両論あります。難しい問題です。

それから私がヴィーガン①の最初の方で最後に書きたいと申し上げたことです。

このコラムを書く始めの時は興味本位の態度でした。

自分が置かれている状況を忘れていました。

ある人との出会いとはその方が食肉業界関係者だったのです。

偶然の出会いで今後お会いする機会が無いかもしれませんが、立派な方で生活のために一生懸命働いている方でした。

人に対する言動や態度、仕事に対する姿勢などの社会性を学ばさせて頂いた尊敬すべき方でした。

その方との出会いが無ければ記事を書くための知識だけで終わり、実は社会というものを何もわかっていないままだったのかと思うと恐ろしくなりました。

自分の生活があるのは家族をはじめ直接的、間接的に様々な人たちのおかげで恩恵を受けているということ。

全部つながっていて、皆さんのおかげで自分が存在するのだということ。

途中でこのコラムを書くのを止めようかと思いましたが、それは逃げることになると思い直し書くことを決断しました。

自分を前に進めるためにも勇気を持ってこのコラムを書かせて頂きました。

ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。

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kontaka

はじめまして!kontakaといいます。強すぎる好奇心で空回りすることがよくあります(笑)趣味は将棋とデッサンと読書です。大切にしているのは「今」を感謝して真心で生きること。日日是好日です。

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