ACT①の続きになります、それではどうぞ。
④文脈としての自己
もう一段高いところから自分自身を観察する視点です。考えている自分を観察する自分。感じている自分を観察する自分。全てを見渡せる、「観察する自分」がいることを意識することです。
例えば子供のときと大人になった自分は同じ自分で変わらない自分。これを文脈としての自己とよびます。
このプロセスによって過去のことや将来のことで頭をいっぱいにするのではなく、目の前でまさに今直面していることにしっかりと向き合い落ち着いた心で現実を見ることが出きるようになります。
⑤価値
自分が人生において、何を大切にしているかを知ること。これをやりたい。大切にしたい。行動したい。ゴールは未来にありますが価値は今ここにあります。
価値は人生に意味や目的を与えてくれるものです。ゴールを設定して、動機付け、刺激、行動に駆り立てるものです。人生の方向性を示す指針です。
思考に引っ張られるのではなく、感覚で選択していきます。そこに理由は必要ありません。「価値との距離感」を大切にすること。価値から離れすぎると、生きている意味を見失いやすくなります。価値はその人の自発的な行動をうながす強化子として働くものです。
価値の明確化とは、「人生の方向性を定める」ということ。言語的に構築され、包括的で、望まれており、本人によって選ばれた人生の方向性のこと。
それが精神の安定を保つことにつながります。
充実した人生を送ると、その結果健康になります。何をもってして充実した人生になるのかと言えばそれは人によるので、だからこそ「価値の明確化」が重要になります。
価値には終わりがありません。価値は人生のプロセスに目を向けさせるもの。価値は行動に目を向けさせるもの、価値には自分がやっていること(プロセス)、つまり「生きることそれ自体」に目を向けさせる特徴があります。
それが結果的に「人生を充実させること」や「人生を楽しむこと」につながっていきます。
自分にとっての価値とは?心の一番奥にある願いは何か?世界、周りの人、自分自身とどのように関わりたいか?自分は人生で何をしたくて、どう行動したくて、どんな人になりたいか?
⑥コミットされた行為
自分の願う方向へ一歩踏み出す。自分にとっての価値に導かれ行う行動、自分が大切だと思ったことを、実際に行う。それぞれどのような心の状態になれば良いか言葉で説明するのは難しいので体験的なエクササイズや例え話が重要とされています。
これらの働きかけによって嫌な考えや気持ちに対する関わり方が変化してきます。
考えや気持ちをありのままの状態で受け入れることができるようになり人生をより豊かで有意義に切り開くことができると考えられています。
おわりに
つまりオープンになり、今ここにいることに集中し、価値観に従って行動することが心理的な柔軟性、心のしなやかさにつながっていくんですね。
私自身頭が固く、そのため心も固いままでした。そのため、視野が狭く、気持ちが折れやすく前に進もうとしてもまた後ろ戻りし、どんどん自分を狭く小さく固くしてしまうという悪循環になっていました。
今では年齢を重ねたことや、固定観念を取り払うことができたため、一歩ずつ前に進めていることが実感できます。
人は誰でも、いつからでも変わることができるというのが私の信念です。それは真実です。
過去は変えられませんが「いま、ここ」に集中できれば感じ方が変わり、考え方が変わり、前向きに行動できるようになります。そのための価値観が大切なんですね。
このコラムが読んでいただいた方の助けになれたらとてもうれしく思います。