★ようこそ!競馬の世界へ★
はじめまして!初投稿になります。
この記事は、はじめて競馬にふれる人のための入門書のようなものを目指して作りました。
突然ですが、あなたは2021年のネット流行語大賞はなにか、ご存じですか?
答えは「ウマ娘 プリティダービー」です。
ウマ娘は競走馬を美少女に擬人化し、育成していくシミュレーションゲームで、スマホアプリ、PCで遊ぶ事ができるゲームです。リリースされるやまたたく間に大人気を博しました。ゲームとしての完成度の高さもさることながら、元ネタになった馬たちの個性をきちんとキャラクターに反映している点が、ヒットの要因になったのだと思います。
そしてこのゲームによって、競馬そのものに興味を持つ人も増えたのではないでしょうか?
この記事では、そんな「競馬をやってみたい」「競馬のことを知りたい」という方へ向けて、なるべくかんたんに、わかりやすく、競馬の知識と魅力を発信していきたいと思います。
記事を最後までお読みいただければ、馬券を実際に買って競馬を楽しめるところまでお話ししたいと思っています。とはいえ、初心者の方には情報量が多く、一気に見ていくのは大変かもしれません。そこで、今回は競馬の基本的な知識から見ていくことにして、後編から実際に馬券を買ってみる!という流れで進めさせていただこうと思います。
それでは、お付き合いのほど、よろしくお願いしますね。
・競馬ってなに?
競馬をひとことで言い表すなら
「馬たちのかけっこ」 です。
CMやTV中継なども放送されていますから、「見たことはある」方は多いと思います。馬たちの最高速度は60~70㎞にもなり、実際に競馬場で見ると馬たちの駆けてくるドドドドドという地鳴りのような音、馬にまたがっている騎手のムチの音、観客の歓声なども相まってすごい迫力です。
競馬はこうした、馬と人が作る独特なエンターテインメントと言えます。
・競馬はスポーツ?ギャンブル?
日本には「競馬法」という法律があり、競馬はこの法律により、国からきちんと認められているギャンブルになります。安心してください。20歳以上で学生以外の方なら馬券を買う事ができます。
しかし、競馬の魅力はそれにとどまりません。
ときにはスポーツやドラマのように扱われることもあります。
有名な馬のぬいぐるみやグッズが発売されていること、競馬を題材にした書籍や映画も多いこともその証ではないでしょうか。また、ハルウララという馬がいました。彼女はとうとう1勝もあげることができませんでしたが、社会現象になるほどの人気を得ました。
こうしたことは、競馬がギャンブルとしてだけでなく、さまざまな側面を持っているということになります。
競馬の楽しみ方は、観る人それぞれにある、と言えそうです。
また、競馬の売り上げの一部は社会福祉、医療、インフラ整備など社会貢献に使われていることも知っておいていただきたい事柄です。
・競馬の歴史は?どうやって始まったの?
人が野生のウマをてなずけて、移動や運搬などに使い始めたころ、すでにそれを競わせるといったことは行われていたようです。古代ローマ時代には、車輪のついた籠のようなものをひかせて速さを競っていました。
日本では流鏑馬(やぶさめ)などの神事として地域に馬事文化が根付きました。なかでも福島の相馬野馬追や、岩手のチャグチャグ馬っこなどは有名ですね。
現在、「競馬」といわれる近代的な競馬は16世紀ごろイギリスではじまったと言われています。貴族たちが権威のために馬を競わせたのが現在の競馬のルーツです。同時にそれは貴族の嗜みであり、社交場でした。現在でもヨーロッパの競馬場では華やかに着飾った貴婦人たちを目にすることができます。昔のなごりですね。
ここからはそうして始まったサラブレッドたちの競争についてお話していきます。
★サラブレッドと競走馬について★
・サラブレッドってなに?
競馬以外でも「サラブレッド」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
両親からスポーツや芸術などの才能を受け継いだ人などに使われますね。
では、もともとの意味するところは何なのでしょうか?
かんたんに言えば、「速く走るために人工的に品種改良された馬」のことです。
具体的に言うと
・ゴドルフィンアラビアン
・バイアリーターク
・ダーレーアラビアン
この3頭のオス馬から生まれた子たちがサラブレッドになります。
いま、競馬場で走っているサラブレッドは元をたどればこの3頭に行きつくわけですね。サラブレッドは18世紀初頭イギリスで生まれ、1791年に正式に定義されました。以降、世界中に広まり今に至っています。
・オス、メスの呼び方
オス馬→牡馬(ぼば)
メス馬→牝馬(ひんば)
と呼ばれます。
レースによっては牝馬限定のレースなども行われていますし、牡馬と牝馬が同時に走るレースでは、牝馬の方が背負う重量が軽くなっていたりします。
・年齢の数え方
競走馬の年齢は、いわゆる数え年でカウントされます。毎年の1月1日に全馬がいっせいに1歳年を取ることになります。
なお、生まれた時は当歳(とうさい)と呼ばれ、次の年の元日に1歳・・・といったように歳を重ねていきます。
★競走馬の一生 生まれてからデビュー、引退後★
では、ここからは競走馬はどのような一生をおくるのか見ていきましょう。
実際にどのように競馬が運営されているかを知る上でも、分かりやすいかと思いますので、お付き合いくださいね。
・誕生は牧場で
競走馬は生産牧場というところでお母さん馬から生まれます。生まれると間もなく自力で立ち上がり、お母さんから乳をもらって育ちます。しばらくはお母さんと一緒に過ごしますが、やがて仔馬だけが集められ、そこで自由に動きながら体力をつけていきます。
1歳を過ぎる頃になると馬具をつけて、人に慣れさせる訓練=馴致(じゅんち)がはじまります。将来、競走馬として人を乗せるわけですから、とても大切な訓練です。
また、この間に馬主(ばぬし)が決まっていきます。馬主は馬の所有権を持つ人や団体のことですね。セリなども行われ、時には仔馬に何億円という高値が付くことも。馬主さんもいい馬がいないかと必死に探しているのです。
・トレーニングを始める
2歳になり、馴致が順調に進めば、人を乗せて牧場のトレーニングコースで走るようになります。
この段階を経て、実際に馬をトレーニングする調教師のもとへ預けられることになります。馬をトレーニングすることを調教といい、調教する場所のことをトレーニングセンターと呼びます。あとで説明する中央競馬では、茨城県美浦村と滋賀県栗東市に大きなトレーニングセンターがあり、中央に所属した馬たちは調教師のもとで毎朝、ここで厳しいトレーニングを重ねていくのです。
・競走馬デビューと活躍
調教師はその馬の発育状況や調教の動きなどから、デビューの時期を慎重に探ります。早ければ2歳夏、遅くとも3歳春までには競走馬はデビュー戦を迎えていきます。その後は馬の適正に合わせてレースを選択し賞金の獲得を目指します。
馬にもよりますが最初の目標は3歳馬限定のレース、クラシックレース(皐月賞、日本ダービーなど)への出走ですね。賞金も高いクラシックレースは皆の憧れる目標です。
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・引退 それぞれの道へ…
そんな競走馬にも引退、つまりレースに出れなくなるタイミングがやってきます。基本的には3歳夏が終わるまでに1勝もできないと出走できるレースがなくなります(例外あり)ので、そこまでに勝てなかった馬はほとんど引退を迫られます。また、故障や年齢的な衰えから泣く泣く引退というケースも…。いずれにしても絶頂期に引退できる馬というのはほんの一握りにしかすぎません。
引退後の余生ですが、まず性別によって大きく違います。
牝馬はおおむね、繁殖つまりお母さんになって仔馬を生むために生産牧場へ行くケースが多いです。そこで子を産み育てていく第2の馬生が待っています。
牡馬の場合、現役時代の成績によって進路ははっきり分かれてしまいます。
まず、現役時代に目覚ましい活躍を出来た馬は幸運です。晴れて種牡馬(しゅぼば)つまりお父さんとして牝馬と交配し、仔馬に自分の血を繋いでいくことができます。一方あまり活躍できなかった馬は種牡馬にはなれません。各地の施設などで乗馬になったり、競走馬が馬場入りするときに誘導する誘導馬になったりします。しかしそれも一部のことで大半の馬は処分されてしまいます。
競馬の世界はまさにサバイバル。命をかけた争いなんです。
★中央競馬と地方競馬 ふたつの競馬はどう違う?★
日本には中央競馬と地方競馬、大きく分けてふたつの競馬があります。
実はこの二つ、主催者が違うのです。ここでは中央競馬と地方競馬の違いをみていくことにしましょう。
・中央競馬について
JRA(日本中央競馬会)が主催している競馬。
JRAはかんたんに言うと農林水産省の関連団体です。
競馬場は東京、中山、阪神、京都、中京、札幌、函館、福島、新潟、小倉にあります。各場持ち回りで、主に土日にレースが行われます。
中央に所属している馬なら、開催されていればどの競馬場にも出走できます。
芝とダート(砂)両方のレースがあります。
調教施設は上でも説明しましたが美浦と栗東にあります。
・地方競馬について
主催者は各都道府県の組合が多いです。
競馬場としては南関東(大井、川崎、船橋、浦和)の他、盛岡、門別、名古屋、笠松、園田、高知など。基本的に平日もレースを行い、ナイターも多く開催されています。それぞれの競馬場に所属している馬が出走します。調教施設は基本的に各競馬場です。盛岡以外の競馬場ではダートレースのみ行われます。
基本は以上ですが、一部中央と地方の馬が一緒に走る交流戦も行われています。
★レースと競走馬のランク★
レースと競走馬にはランクというものがあります。基本的には馬は自分のランクのレースに出走することになっています。自分のランクより下のランクには出走できない仕組みです。こうしないと強い馬が、下級ランクのレースで勝ち続けてしまうからですね。それではもう少しくわしく見ていきましょう。
・レースランク(JRA)
はじめに断っておきますが、このランクはJRAのもので、地方競馬は全く異なります。さらに、年齢によってもクラス分けは若干異なっています。それを念頭においてみていくことにしましょう。
まずデビュー戦です。メイクデビュー、新馬戦と呼ばれます。ほぼすべての馬がここからデビューします。勝てれば1勝クラスへ、負ければ未勝利戦へとまわります。1勝クラスの上に2勝、3勝クラスとあり、その上がオープンクラスになります。オープンになると重賞(GⅢ、GⅡ、GⅠ)に挑戦するようになります。もちろんレースランクが上がれば上がるほど賞金があがります。GⅠが最も賞金が高いため、GⅠを勝つことはとても栄誉なことで、目標にしている馬も多いです。
・特別なレース クラシック
上でも触れましたが、少し特別なレースとしてクラシックレースと呼ばれているものがあります。何が特別なのでしょうか?それは3歳時しか出走できないという点です。つまりすべての馬にとってそのレースを勝てるのは生涯1度きりのチャンスであるということです。
クラシックは牡馬と牝馬で路線が分かれていて、すべてGⅠ競争に位置付けられています。
牡馬→皐月賞・日本ダービー(東京優駿)・菊花賞
牝馬→桜花賞・優駿牝馬(オークス)
これらの前哨戦としてGⅢやGⅡレースがあり、それをステップにしてクラシックに挑むのが普通です。
★レースの条件★
大きく分けて3つの種類があります。また距離も細かく設定されていて、レースによって変えられています。競走馬によって得意とする条件が違うので、ひとつずつ見ていきましょう。
・芝
ヨーロッパで主流のレース。JRAでもGⅠが多く中心視されています。
スピードが出やすく走破タイムも速くなっています。
・ダート(砂)
日本では砂を敷き詰めた馬場のことです。アメリカなどでは土の所が多いです。
芝コースの内側に置かれ。ダートを得意とする馬もいます。
地方競馬ではほとんどがダートレースのみになっています。
・障害
障害物がコース上に設置されているレースです。
馬たちがそれを飛越していく様子はダイナミックで人気があります。
距離が長く、障害で落馬することも多いため独特の緊張感があります。
障害専門の騎手がいるなどやや特殊なレースで、レース数こそ多くありませんが根強いファンのいるレースとなっています。
・距離について
人間にも100m走が得意な人とマラソンランナーがいるように、競走馬にも得意な距離があります。おおむね血統や気性によってそれは決まっているので、各馬の得意不得意にあわせてレースを選択しています。
1000~1400m スプリント
1400~1800m マイル
1800~2200m 中距離
2200~2500m 中長距離
2600m以上 長距離
★競走馬の戦法 脚質★
競走馬には得意な戦法というのがあります。というのも競走馬は2000mであれば2000mずっと全力疾走しているわけではないのです。そのため、持続力を活かして先団からレースを進めるか、あるいは一瞬の瞬発力を活かすために前半はあえて後方に待機するか。色々な作戦があります。それを脚質と呼び、細かく分けると4つにまとめられます。
← ① ②③④ ⑤ ⑥⑦ ⑧
・逃げ (上図➀)
スタートから先頭に立って、レースを引っ張る馬。そのレースのペースを握るため予想の上では重要になります。スタートの良さ、スピードとそれを維持するための持久力が必要になります。性格的に他の馬を気にする馬に向いています。
・先行 (上図②③④)
逃げ馬の後ろに付けて、ゴールまでにそれを抜き去る戦法。比較的どんな展開でも有利ですが、スピードと持久力は必要です。
・差し (上図⑤⑥⑦)
レース中は中団に控え、途中から追い上げていって、最終コーナー~ゴール前で先頭にたつ戦法。比較的展開の影響は受けにくいものの、馬群にもまれやすいため、他の馬にひるまないメンタルが必要になります。
・追込(おいこみ)(上図⑧)
道中、後方で足をためて、最後の直線で一気に加速して他の馬をごぼう抜きする戦法。非常に高い瞬発力が要求されるうえ、展開の影響を受けやすく、不利も受けやすい脚質ですが、決まれば爽快です。
★実際の競馬レースの流れ★
前編も最後の項目になりました。
一つの競馬場で行われるレースは一日12レースほどで、メインレースは第11レースに組まれていることが多いです。午前中は未勝利戦から始まり、メイクデビュー、1勝クラスへ、さまざまなクラスのレースが行われていきます。
ここではその一つ一つがどのような流れでおこなわれていくのか、みていくことにしましょう。ここでは実際に競馬場に足を運ぶ前提でお話していきます。
・競馬場へ
競馬場へ行く前(競馬場についてからでもいいですが)競馬新聞かスポーツ新聞を買うのがオススメです。当日どんな馬が出走するか、どの馬が有力か、細かく知る事が出来るからです。
競馬場に着いたら、入場料を払って入場します。競馬場によりますが料金は数百円程度です。小銭を用意しておきましょう。入場したら指定席あるいは自由席を確保するのがおすすめです。席を取ったら、競馬場を散策したり、グルメを楽しむのもいいですね。イベントなども開催されているので親子連れも楽しめると思います。一通り競馬場を歩いたら、いよいよ馬たちを見にパドックに行くことにしましょう。
・パドック
上の画像のように出走馬の下見をするところです。小さめのトラックコースを馬が歩いて周回します。出走する前の馬はまずここで体をほぐしたり、メンタルを落ち着かせたりします。
一方の人間側は、馬の体重、馬体、歩き方、馬の落ち着きなどを見る事が出来ます。ここでの情報を重視して予想を組み立てる方も。また、馬をすぐ近くで見る絶好の機会なので、写真を撮ったりされるファンも多いです。その際、馬が驚くのでフラッシュは焚かないようお願いします。大きな声などもNG。あくまでしずかに、じっくりと馬たちを観察しましょう。騎手が馬にまたがったら、あと1周で本馬場入場です。
・本馬場入場 返し馬
華やかな音楽と共に、誘導馬に先導されてレースに出走する馬たちがレースコースに入場してきます。この時、出走地点まで返し馬と呼ばれる軽いランニングのようなものを行います。騎手との呼吸が合っているか。走りが固くないか。これらをチェックして予想の結論を出してゆきます。
・馬券購入
馬券の発売締切までに馬券を購入します。詳しい買い方は後編で説明しますが、自動発券機から購入したり、インターネットから購入する事も出来ます。発券機で購入する際は、締切間際は混雑することがあるので、早めの購入をオススメします。馬券を購入したらスタート前にレースが見えるところへ移動しましょう。
・レース発走
ファンファーレが響いたら、いよいよレース発走です。レースが行われる距離によってスタート地点は変わります。一方ゴールは競馬場によって決められています。出走馬が誘導員さんにひかれて出走ゲートに入っていき、全馬ゲート入りが終わると一斉にゲートが開いてレースが始まります。
最後の直線に入るとお客さんの盛り上がりも最高潮に。馬たちの全力疾走する音や立ち上る砂煙などもあいまってとても迫力ある瞬間がそこにあります。
・表彰式 口取り
レース終了後、優勝した馬の表彰式がウィナーズサークルという場所で行われます。同時に記念撮影や賞金の贈呈などもここで行わるので、見てみるのもいいでしょう。自分の好きな馬ならなおさら感慨深いものがありますよ。
・払い戻し
もしレースで購入した馬券が的中したら?
おめでとうございます!
レース終了後、結果が確定してから的中馬券の払い戻しを行う事が出来ます。
払い戻しは券売機から行う事が出来ます。競馬をやっていてここが至福の瞬間ですね。一方、的中ならなかったときは…気持ちを切り替えて次のレースに向かいましょう(笑)
一日のレースはこの繰り返しで進んでいきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回は以上になります。次回は実践編に続きます。
いよいよ実際に馬券を買ってみましょう。
それでは、また後編で!