2022年4月 楽しかった海外ドラマをご紹介 愛及屋烏
『F.B.EYE!!相棒犬リーと女性捜査官スーの感動!事件簿』(S1.2002~S2.2010)
Continuation from last page. 06-1
女優ディアン・ブレイ
スーを演じた女優のディアン・ブレイ。
彼女もスーと同様、実際に耳の聞こえない女性なのだが、前のコラムで紹介したCSIではS1#20『引き裂かれた静寂の闇』で事件の被害者が通っていた聾学校のギルバート校長役で出演していた。
遺伝性の病気で母親が聴覚を失っていたグリッソムに手話技能や障害者への理解がある事が発覚するエピソード。
名前が同じギルバート、という事もあってか交流を深める二人にサラが微妙に嫉妬する描写があるのも、個人的には実に良い。
後に母親と同じ病気でグリッソムも聴力を失いかける、という序盤の盛り上がりポイントがあり、この時もディアンはギルバート校長役で再登場している。
HEROSでは共感覚能力者のエマ・クーリッジを演じ、聴覚障害者であるからこそ演じる事の出来るキャラクター達に彼女は息を吹き込んでいる。
夫は俳優のトロイ・コッツァーで『F.B.EYE』にも五話、出演している。
逮捕を狙う大物に繋がる軽微犯で、彼を協力者に出来るか?という話。 無音の中で展開する、二人の手話劇は演出的にも、かなりの見物。
またアメリカ手話のプロとして番組の制作にも貢献している。
最初の聴覚障害者FBI捜査官――スー・トーマス
それは1979年~1983年に活動していた実在のFBI捜査官である。
ドラマ『F.B.EYE』は彼女の著作である「沈黙の夜」が元になっている。
スケートの経験や指紋分析の仕事からジャック・ハドソンに見いだされ捜査官になるドラマの流れは、本人の経歴と同じであり、著作内でも描かれている。
ドラマではスー・トーマス捜査官、その人がカメオ出演している。
初登場(S1#3)はルーシーとスーがルームシェアの部屋探しをする時の大家役。
この時は、特に障害者としての描写はなく健常者の役だった。
だが、シーズン1の後半では特殊な出演をした。耳の聞こえない女優役である。
少しややこしいが、スー・トーマス捜査官役をディアン・ブレイが。 女優のディアン・ブレイ役をスー・トーマス捜査官が演じている事になる。
ドラマに限らず、元捜査官の露出が多いのは、アメリカのお国柄なのか。
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