劉慈欣(りゅう じきん)の火守を読んだので紹介します。火守は少年と老人が関わり合いながら、少年のある希望のために少年が自分の経験した事ない事にチャレンジする話でした。少年のために老人がサポートしつつも遠くから見守っている、そんなお話でした。そんな、劉慈欣が書いた火守を紹介するので、もしよかったら最後まで読んでください。
※この記事はネタバレを含みますので注意してください。
火守という熟語は存在するのか?
火守? こんな熟語、実際にあるのか、と疑問に思ってGoogleで調べてみてもありません。劉慈欣の造語だと分かりました。火を守る、このタイトルは最後のあたりの物語に起因していると分かりました。最後らへんの話がタイトルの言葉の意味を回収しているのです。
少年の献身的な気持ち
少年には好きな女の子がいました。その少女の星は埃がかぶっていて病気がち。そのため少年は少女の星を探してその埃を取り払って病気を治す決意をします。そして月が三日月になった時にロケットを飛ばして月に登り、三日月をボートのように使って宇宙空間を漕いで、少女の星を探すのでした。ちなみに星が汚くなると病気になったり死んだりするそうです。
老人の仕事
老人は長い間、火守をしていました。その役目は太陽に火をつける事です。海面に浮かぶ球体に火を付けて太陽を輝かせるのです。そして夜を終わらせるのですね。もし、老人がいなかったら太陽が昇らないので、責任重大な仕事をしているわけです。そんな火守の仕事を少年に教える老人なのでした。
流れ星は死んだ人
流れ星はロマンチックですが、この火守の小説では死んだ人が流れ星になってしまうそうです。時々、地上に降り注ぐ石もあるそうです。流れ星に願いをかける事はこの小説の世界ではなんだかタブー視されていそうですね。
鯨の骨でなんでも出来る世界
くじらの骨と歯でロケットを作ってしまう、老人。最初、読んだ時は想像力が豊富じゃないと思い付かないと思いました。劉慈欣は有名なSF作家みたいなのできっと想像力が半端ないぐらい豊富で柔軟な頭の持ち主なのだろうと思いました。
子供向けの物語のようだが大人も読んで共感できる
少年が好きな少女のために奮闘する話で、少年の立場に立てば好きな人のために行動する気持ちに共感できたり、老人が少年を導いていく気持ちに共感できたりするはずです。月をボート代わりにして宇宙空間を進んでいく事には想像力が掻き立てられてしまう子供もいるかと思います。それらの事を考えると、万人受けのお話だと思いました。
まとめ
劉慈欣(りゅう じきん)は有名なSF作家で想像力が豊富な作家だと感じました。この火守は、電車の中でiPadを使って書かれた話だそうです。一気呵成に書き上げられたお話だという事を知り、凄い集中力だなと思いました。短いお話ですぐ読めましたが、童心に帰るような気持ちになりました。子供の頃の想像力を大事にしたいと思うような、そんな気持ちになりました。