Cross Over Is Like #06
2022年8月 好きなクロスオーバー作品をご紹介 愛及屋烏
名探偵キャサリン vs 十津川警部
Continuation from last page. 06-3
海を渡った愛と殺意
西村京太郎作品の十津川警部と山村美紗作品の名探偵キャサリンの競演。
本作は人気キャラクター同士の競演を実現する為に、西村京太郎が番組のために書き下ろした大変貴重なもの。
また、両シリーズ初となる海外ロケ(台湾)を行ったことも話題となった。
台北市内や、花の精たちが住む街といわれる花蓮では、民俗衣装も艶やかなアミ族の踊りや、壮麗な大理石の峡谷、タロコ峡谷は圧巻。
もちろん、十津川警部には欠かせない列車「自強号」も登場。 鉄道ファンへのサービスも忘れていない。
宝石強盗と密売組織、台湾マフィアに中国・人民解放軍の拳銃に殺人、そして、日本の不正融資がからみ、事件は複雑に展開していく。
二人の力を合わせ、殺人事件の謎に挑む大スケールの合作サスペンスとなっている。
あらすじ
台湾マフィア取材のため台北を訪れていたカメラマンの希麻倫子(通称・キャサリン/かたせ梨乃)は、ヒスイの闇取引に関与する女性を追う途中、銃のバイヤーが殺されるという事件に遭遇する。
1カ月後、殺されたバイヤーの銃を使った宝石強盗事件が東京・銀座で発生。
事件を担当する十津川警部(渡瀬恒彦)の捜査線上に倉田雄介(石橋保)の名前が浮上する。
そんな中、台北警察の周刑事から、倉田名義のパスポートと身体特徴を壊された焼死体が発見されたとの連絡が入る。
台北に飛んだ十津川と倉田の妹・真知子(中山忍)を出迎えたのはキャサリンだった。
京友禅の謎〜華の密室殺人事件〜
山村美紗没後10年スペシャルと制作された『名探偵キャサリン』の15作品目のドラマであり、同時に最終作品。
原作は山村美紗の『京友禅の秘密』。十津川警部が登場するが、あくまでドラマとしてのゲスト出演であり、原作に出ている訳ではない。
渡瀬演じる、アダルト十津川の面目躍如といった感じ。この手の元カノに関するエピソードは多い。
あらすじ・2
キャサリンこと希麻倫子(かたせ梨乃)は京都を舞台に活躍するスチールカメラマン。
ある日、倫子は知り合いの京友禅絵師・浅川百葉(河野由佳)に招かれ、彼女の父親で京友禅絵師として有名だった浅川万葉(長門勇)の追悼展示会にアシスタントの四郎(丸山隆平)とともに出掛ける。
万葉は三ヶ月前に亡くなっていたが、それは自宅の一室で遺書も残さない形での自殺だった。展示会を訪れた倫子と四郎は、早速、万葉の作品を観覧する。そんな中、展示されていた万葉の最期の作品の模様から「殺される」という文字が発見された。
万葉の死がただの自殺ではないと感じた倫子は馴染みの狩矢警部(西岡徳馬)にそのことを告げるが、狩矢は相手にしようとしない。
どうしても納得出来ない倫子だったが、狩矢から万葉が自殺のひと月前、最期の外出となった時に女性と会っていたことと、その女性が追悼展示会で倫子が見かけた稲本弓子(仁科亜季子)であることを聞かされる。
万葉の死に何か関わっているのではと勝手に弓子の行方を捜し始めた倫子は、交友のある警視庁の十津川警部(渡瀬恒彦)に街中で遭遇する。
倫子が差し出した弓子の写真を見て愕然となる十津川。何故なら弓子は十津川が以前付き合っていた女性で、十津川は倫子に会う前、偶然弓子と25年ぶりの再会をしたばかりだったのだ…。
倫子から弓子が万葉の死に関わっているかもしれないと聞かされた十津川は倫子と共に万葉の死を調べ始めるが、そんな中、葉二郎が何者かに殺され、万葉の死に殺人の疑いが深まっていく…。
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