2023年08月 日常生活アウトプット系コラム・映画編 愛及屋烏
グリッドマン ユニバース
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映画冒頭から時系列順に感想というか思った事
①響裕太の状態
今回の映画によって、ついに「グリッドマンが憑依していない状態の本物の裕太」の人物像が掘り下げられることとなった。
『SSSS.GRIDMAN』の間は、「裕太に憑依し、自分を“響裕太”だと思い込んだグリッドマン」が裕太として振る舞っていた影響で、グリッドマンが去った現在では、その頃のおよそ二ヵ月間の記憶は裕太本人にはなく、新条アカネのことも覚えていないが、かつて自分がグリッドマンと一体化し、彼と共に怪獣と戦っていたということについては受け入れている。
その二ヶ月間と高校2年生になるまでの間で、六花との仲は縮まったものの恋愛的な意味での進展はなく、 学園祭で告白しようと決意する。遅い。
今回の映画と『SSSS.GRIDMAN』第一話の描写的にやはりグリッドマンの憑依直前に一度、裕太は六花に告白していたらしい。
- そんなに親密ではない六花の家の前に六花と居た。
- アレクシスに敗北したグリッドマンに憑依され、気絶した裕太を六花は自宅で介抱している。
- 介抱中、六花の「機嫌が良い時」の鼻唄が出ていた。
- 記憶喪失になった裕太(グリッドマン)に「冗談だとしたら最悪だ」と六花の当たりが強い。
②アンドロメロスな脚本
学園祭に向けて、六花と内海が協力して書いていた演劇のタイトルについて。
「グリッドマン物語」と「グリッドマン超伝説」なのは、おそらく映画「ウルトラマン物語」と、漫画「ウルトラ超伝説」のオマージュ。
どちらもまだ平成になる前、ウルトラシリーズが長い休止期間だった頃に作られた昭和ウルトラマンだけのスペースオペラ作品。
どちらもヒーロー「アンドロメロス」に関係があるというのがミソ。
まだ「SSSS.GRIDMAN」が作られる前、雨宮監督がウルトラマンをアニメにしたいと円谷プロにお願いしたところ「グリッドマンかアンドロメロスならいいですよ」と返答されたのは有名な話。
③レジェンドとファウスト
演劇の参考にと内海が裕太に見せたウルフェスらしきDVDで戦っていたのが、ウルトラマンレジェンド(コスモスとジャスティスの合体)とダークファウスト(ネクサスに登場する闇の巨人)。
ウルトラシリーズに詳しくない人には伝わらないでしょうが、なんでこの組み合わせ?っていう変な組み合わせ。これは、この2人の声優をどちらもアレクシス・ケリブ役だった稲田徹さんがやっていたという繋がり。
映画後半で分かったが、神に近いウルトラマンと光と対になる闇の存在の暗喩だったようだ。
④ちょいちょい特撮版のネタが入る
画面の中に存在する小物だったり、細かい名称や物品が特撮の頃の品だった。特撮版の話数と同じ数が仕込まれているらしい。見つけられる気がしないが。
演出的には電光超人要素が少ないから、という理由なのだが、話として、なんでこんなに?ともなる。そこは映画中でキチンと理由付けがされている。
- 冒頭で内海が裕太に見せている占いサイト →第30話「世界滅亡の日」に登場する占いゲーム筐体
- ジャンクショップ絢の店内に置いてあった変な銀色のバイクヘルメット →第15話「歪んだターゲット」に登場したSTG用のヘルメット
- ヘルメットと一緒に映っているガスマスク →第38話「危うし地球!」で武史がゆかに手渡したガスマスク
- ジャンクの隣に置いてある恐竜の人形 →第22話「復活! 恐竜帝王」に出てくるティラノサウルスの人形。
- 六花を誘った演劇→第17話「孤独なハッカー」のストーリーそのもの。
- 裕太と六花が買い出しに出かけたシーンで空に浮かんでいる星座 →第37話「えっ! パパが死刑?」でのグリッドマン型の星座。
- 金田有希雄と書いてある選挙カー →第28話「神かくし! ゆかが消えた!!」に登場する市長の選挙カー。
- 裕太のクラスの演目が掃除機からの脱出ゲーム →第32話「人間掃除機の襲撃!」。
⑤六花の大学生彼氏疑惑
告白を決意した矢先、女子達の「六花に大学生の彼氏がいる!?」 という強烈な噂話を聞いた上、演劇の誘いも断られ、内海と行った帰りに目撃した、男のいるアパートの一室に消える六花の姿。
直後に垣間見える、幽霊の様な何か。
祐太は盛大に動揺していたが、劇中でも存在は示唆されていたし、ボイスドラマや他媒体を追っかけていたファンは、「ああ、大学生の(実の)お兄ちゃんね」となったので笑い所だった。
一方で内海と祐太の感動ポイントの違いも明確に。
ウルトラ系の映像作品で感涙する内海に引く裕太。 高校演劇にダバダバと号泣する裕太に引く内海。
人間だけが虚構(フィクション)を信じる事が出来て、時にそれが人の心を救う、というのが後の話のキモだった。
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