この記事をご覧になっている皆さまのご家庭には、「オーブン」があるものと思います。
現在のオーブンレンジ
オーブンの始まりの歴史
このオーブンというものの歴史は古く、昔の教科書に出ていた「4大文明」の一つ、インダス文明の頃から、土で出来た「オーブンの原型」は出来ていたといわれています。
インダス文明の遺跡
オーブンが各家庭に無かった時代
しかし、昔のオーブンというものは、「貴重品」でした。
ヨーロッパ諸国のお城か、お金持ちの家か、パン焼き職人のお店にしかないものでした。
普通の人がパンが焼きたい、オーブンで菓子や料理が作りたいという場合にはどうするか。
パン焼き職人の所に頼みにいったものなのです。
お金なり卵なりの結構な対価を払って、ということでした。
お城にある昔のレンガ造りの大きなオーブン
一般家庭にも広まったオーブン
- 小さなオーブンの発明者
普通の人の家に据え付けられる、小さなオーブンというものを創ったのは、フランスのマントノン夫人、というお人だということがヨーロッパでは主流な説になっております。
本名はフランソワーズ・ドービニェというお名前で、当時の国王陛下が秘密裡に結婚していたご側室様のお一人だったそうです。
今は、「シャルロット・マントノン」というお菓子にそのお名前が残っております。
日本の場合、国家元首には称号が一つしかありませんが、ヨーロッパの国王陛下等の場合は、同時に公爵だったり伯爵だったりする場合がありました。
そちらの称号の令夫人としてご側室様は呼ばれるという慣例になっておりました。
家庭用オーブンが生まれた背景
このマントノン夫人の生まれたお宅は貧乏で苦労していた時期があり、パン職人様に気軽にオーブンの使用を頼みに行きにくい状況だったのでしょう。
燃料さえ集めればその手間と代金のみで家で気軽にオーブン料理ができる、小さなオーブンがあればいいのに、と考えたのが自然の成り行きだったと思われます。
そこで、オーブンの開発に着手されたようです。
とはいえ、この時代の女性の常で、工学的な勉強ができる機会があったとは考えにくいものです。
恐らく、当時の有名な工学者様に頼んで「今までにない小さなオーブン」の図面を引いてもら
つぎに、腕利きの鍛冶職人様に頼んで実際に作ってもらう。
そして、自分で使って改善点を指摘する、という形で発明に至ったと推測されます。
最初のお披露目は、当時の国王陛下の宮廷、ベルサイユ宮殿で行われたようです。
昔の鋳鉄製オーブンの模型
当時のオーブンの性能
昔のオーブンの性能はかなり悪いものでした。
火力と温度の調整がとても難しかったのです。
この点は、ガスや電気のオーブンが普及するまで変わりませんでした。
一家の主婦はオーブンにケーキやパンや料理を入れるたびに、上手く焼けますようにとお祈りしている事態でした。
アメリカ初代大統領ワシントンの時代や、ヴィクトリア女王陛下が生きていた時代でも、この状況は変わりませんでした。
昔のオーブンがある英国の貴族の館では、ケーキやパンを焼くイベントが定期的に開かれて
います。
そういうときには、オーブンの前でお祈りしている光景を見ることが出来ます。
薪から水蒸気が出るので、出来上がったケーキやパンは電気オーブンで作ったものよりしっとりしていると聞いております。
そういう+αの機能が現在のオーブンにもつけられないものだろうか、と思います。
発展した現在の家庭用オーブンの形
今のオーブンの進歩にはめざましいものがあり、スイッチ一つで180度。
と、簡単に温度調整ができるようになりました。
焼き料理のほかに、蒸し料理、揚げ物も工夫次第でできるようになりました。
近年は、電子レンジ機能つきのオーブンもできました。
蒸し器で温め直すよりも10分の1程度の時間で、ご飯を温める事もできます。
(ご飯を蒸し器で温めるには、20分から30分程度はかかります。)
先人の努力と技術の進歩に感謝しながら、オーブンや電子レンジを使いたいものです。
因みに、オーブントースターの「強」の火加減は、大体オーブンの200度です。
何かを作る時に変換できて便利です。
参考にしたサイト
Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%B3
朝日こども新聞