日本の郷土菓子の話 蒸し物が多い理由等

今回は、「日本の郷土菓子」についてのお話をしてみたいと思います。

「和菓子」ではないのが要点です。

昔から日本の各地の家庭で食されてきたお菓子、

農繁期の仕事の合間に作られて、食されてきたもののお話をしてみたいと思います。

おはぎ、五平餅、いきなり団子、ゆでまんじゅう、等などの事について、

書かせていただきたいと思います。

田舎のおやつはつまらない、と思われるかもしれませんが、

地域の事情によっていろいろなバリエーションがあって、

じっくり見ていくと面白いものです。

見てやってください。

郷土菓子の原料についての地域の諸事情

土色のお皿に盛られた、粒あんのおはぎの画像です。

おはぎの画像

お米がとれる地域の事情

日本の中でも、お米がたくさんとれる地方では、お米やもち米の地方菓子が盛んに作られました。

愛知県の五平餅、各地のおはぎ、高知県のきらずもち等が例として挙げられます。

お米がとれにくい地域の事情

また、気候の関係でお米が取れにくい地方、昔年貢が厳しかった地方等では、おやつに使える程

米の余裕がありませんでした。

小麦粉、そば粉、芋のお菓子が作られ、農繁期の胃袋と気力、体力を支えていたようです。

具体例を挙げると、

青森のきんかもち、埼玉のうでまんじゅう、北海道のいももちなどでしょうか。

平たい串に刺してある、3個のいももちの画像です。

いももちの画像

北海道のコメの事情

特に北海道の場合、先住民のアイヌ民族がコメをもともと作物としてもっておらず、

また、江戸時代になってもなかなかコメが育たなかったもので、明治時代には入植者がコメを作らなかった時代がありました。他の土地のコメを購入して食べていたのです。

しかし、もちろんコメを食べ慣れていた日本各地から入植してきた人たちは、

どうしてもコメを食べたくなりました。

田を作り、コメの作付けの努力を試行錯誤しながら行って、ついに成功させました。ある時、突然変異で寒さに強い稲ができ、また、栽培技術も上がったのです。その結果、今は北海道のブランド米がある世の中になっております。なかなか大変な歴史があるものです。

郷土のお菓子の調理法について

日本の郷土のお菓子は、ゆでる、蒸す、炭火で焼く、という方法が多く使われます。

明治時代以前の日本で、「オーブン」のようなものがあるのは「琉球王国」くらいのもので、おやつを大量に調理するには、上に書いたような方法が使われたのです。

特に、「蒸す」という調理法が多いように思われます。

蒸す調理器具の大きいものさえあれば、一度に大量に調理することができたからでしょう。

また、炭火で焼いたりゆでたりするよりも、つきっきりでなくてもできるという利点があります。

昔、ご飯は「炊く」というよりは「蒸す」という調理法で食していたので、

その名残なのかもしれません。

大きなせいろの前で、女性が作業している画像です。

大きな蒸し器の画像

小豆が多く使われる理由

手のひらに乗せた、大粒の小豆の画像です。

小豆の画像

日本の郷土のお菓子には、「小豆餡」が使われるものが多い傾向もあります。

小豆にはむくみを取り、熱を下げる作用があるものです。

昔の人が知っていて、農作業中に火照った体の熱を下げるためと、

甘い小豆餡のカロリーで体力を維持させるため、の両方の意味があったようです。

特に田植えは祭りの時期ともなっていたため、めでたいこととされていたから

この時期の食べ物に赤い小豆が使われた、とも考えられます。

日本の郷土のお菓子というのは、その土地の歴史、気候、今の状況等が見えて面白いものなので、

これからも何らかの形で伝わっていけばいいと思っております。

インターネットを眺めていると、現在のキッチンで簡単に作れる方法等も出ていたりするので、

私と同様の考えの人も多いのかな、と思います。

九州の郷土菓子、「かからだんご」が瀬戸物の皿に乗っている画像です。

かからだんごの画像

参考URL

北海道のコメの品種について

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%8A%E4%B8%BB_(%E7%B1%B3)

https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0210/01.html

縁起の良い食べ物について

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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