折りパイ生地の歴史についての諸説
黄金色にふくらみ、さっくりとした口当たりのパイ生地。
特に、折パイ生地は洋菓子業界の華です。
折パイ生地で作った小さなチョコレートパイの画像
皆様は、その由来についてご存じでしょうか。
有力な説その1 画家の偶然の発明
諸説ありますが、
有力な説の一つは、クロード・ジュレという後に高名な画家になった人が偶然発明した、ものです。
このお方は、画家だけでは生計が立てられず、厨房でアルバイトをしていた時、練パイ生地を作るのにバターを入れるのを忘れてしまい、後からバターを入れて何度も折り込んだら、できた生地がきれいに層になってふくらみ、この発明によって修行に出るお金を得て、有名な画家になった、という逸話が結構有名です。
焼く前のパイ生地
有力な説その2 公爵家の料理人の発明
もう一つは、コンデ公爵家の料理人フィユが工夫の末考案したというものです。
フィユタージュ以外の折パイ
バターを使った折パイ、フィユタージュというものは、ヨーロッパのものですが、
油脂を使い、層になったパイ生地、と定義すると、トルコのバクラヴァ、ギリシャのピタ、中国の餅(ビン)等も、パイという事になるのかもしれません。
これらは何れも、植物油等を使い、何層にもした生地を焼いて作ったものになります。
もし、公爵家の料理人が開発したのだとしたら、文献を読むか、また、これらを食した事があって、これらの作り方を参考にして、バターに置き換える工夫をしたのではないかとも推測されます。
また、近くにドイツ文化圏もあるので、シュトルーデル生地を参考にし、
それにバターを加えて重ねたのかもしれません。
シュトルーデルの画像
真相は歴史の中に
いずれにしろ、今の段階では真相は分かりません。分かるのは、「折りパイはおいしい」という事です。
遠い将来、タイムマシンでもできれば、真相が「はっきり」分かる時がいずれ来るのかもしれませんが、それでも聞き込みや文献調べをしなければいけないので、大変だと思います。
アップルパイの画像
最近のパイのトレンド
今、トルコのバクラヴァは、東京にトルコの老舗が期間限定で出店したりしているので、このカテゴリーのお菓子は、もしかすると次にブレイクするかもしれません。
バクラヴァの画像
かなり甘いお菓子ですが、おいしいものです。
ギリシャ式の折りパイ生地も結構簡単なので、
作り方が普及する可能性もあるかもしれないと思っております。
チェリーパイの画像
誰が作ったにしろ、「おいしいパイ」が今食べられる事に感謝して、
季節のパイをいただく事に致しましょう。
パイ生地の歴史