皆様は、「革」というと、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
皮革というものの生産について
皮革というものは、たいていは肉をとった後の牛や豚の皮を
なめして革にして使用しているものですが、
(ワニ革やダチョウの革の生産地でも、皮を取った後の
ワニやダチョウの肉は食しているようです。)
「殺生ものが嫌い」というお方も、世の中には一定数おられます。
特に、ヴェジタリアンやヴィーガンの方は、
動物由来の皮革を持ち物にするのを嫌がられる傾向があるようです。
牛や豚由来以外のレザー
そういうお方のためと、
また、フードロスをなくし、とれたものを無駄なく使うために、
昨今は「食べ物から作られる人工皮革」や、
お肉の部分を食用にした魚の皮を使った「フィッシュレザー」等も
最近は人気を博しております。
「人工皮革」とは
まず、「人工皮革」というものがどういうものか、
ご説明したいと思います。
リアルレザー、本当の皮革は、
牛や豚等の革を皮革に加工したものになります。
そして、そうでないものには、
「合成皮革」と「人工皮革」があります。
「合成皮革」とは、織った布に合成樹脂類を張り合わせて、、
リアルレザーのような風合いに作ったものになります。
「人工皮革」も構造は似ていますが、不織布を使い、
そこに合成樹脂を浸透させて本革のように作ったものになります。
「ヴィーガンレザー」とは
この「合成樹脂」の部分を植物由来の樹脂に変えたもの、
もしくは、植物由来素材を混ぜたものが、
「ヴィーガンレザー」という名称のものになります。
この「植物由来」というところには、
いろいろなものが使えます。
今までに、リンゴの皮やリンゴジュースの搾りかす、
サボテン、キノコ、パイナップル等の素材があります。
どれも、食べ物として使われるものの余り、
食品を作る時に出る廃棄物などが素材に使われているため、
環境にやさしい印象があります。
「フィッシュレザー」について
また、これも食べ物を作るときに出る廃棄物、
ということになるのですが、ブリやタイ、スズキ等
魚を加工するときに剝がされた鱗付きの皮も、
技術を持った人が加工すれば立派な比較として使うことが出来ます。
これが、「フィッシュレザー」になります。
動物に比べて食用魚は体が小さいものが多く、
面積が小さいので、今のところ小物しか作れないことと、
皮なめしに手間がかかり、技術を持っている人が少ないので、
高価なのがネックになって広がっていないのですが、
最近、パラオ諸島にて技術支援をして
生産を広げる動きがあるようです。
そうなったらもう少し安価なフィッシュレザーが入手できるようになるのでは、
と期待しております。
どの試みも、「命を無駄にしない」というコンセプトなので、
筆者としては好ましいムーブメントと思っております。
これからもこういう事業が発展してほしいものです。
皮革とヴィーガンレザーについて
https://www.trans.co.jp/column/sdgs/veganleather/
フィッシュレザーについて