まったく違う「タルト」と「カナッペ」

一般的なタルトとカナッペとは

皆様は、「タルト」や「カナッペ」という言葉を聴くと、

どのようなものを思い浮かべられますか。

おそらく、洋菓子のお皿のような「タルト」と、

イチゴが形よくのった小さいタルトが皿に乗っている画像です。

タルトの画像

パンやクラッカーでできたオードブルの「カナッペ」を思い浮かべるのではないでしょうか。

キャビアといくらとペーストを乗せたカナッペがたくさん並んでいる画像です。

カナッペの画像

しかし、日本には、まったく違う「タルト」と「カナッペ」も存在します。

愛媛県の「タルト」

愛媛県では、ゆるめた餡を巻いたロールケーキを「タルト」と呼びます。

なんでも、江戸時代に愛媛の松平藩のお殿様が、

舶来の「タルト」と呼ばれるお菓子に感激して作り方を持ち帰ったのが始まりだそうです。

愛媛県のタルトの画像

もともとは、オランダ語かポルトガル語由来の「焼き菓子」という意味の単語だったようですが、

今は日本人が呼びやすい「タルト」という名前になっています。

ゆずの香りがするスポンジに、小豆餡を巻いてあるお菓子です。

宮崎県の「カナッペ」

また、「カナッペ」という名前の食べ物も、福岡県で独自の進化を遂げたものができました。

福岡の旦過市場にある、「小倉かまぼこ店」にて考案された、

ニンジンやタマネギなどを練り込んだ魚のすり身を薄い食パンでくるりと巻き、

さくっと油で揚げた練り物料理です。

なぜこの名前になったのかの由来は不明だそうですが、

何かおいしくてハイカラそうな食べ物だったので、

おしゃれな名前をつけたくなったのでは、と推測いたします。

筆者も、新しいレシピに洒落た名前をつけたくなることがあるので、わかるような気がします。

この調子だと、日本や世界のあちこちに、同じ名前で、

まったく違う外見のお菓子や料理がたくさんあるのかもしれません。

時代や場所によって違う料理の名前やレシピ

時代や場所が違う場合や(平安時代末期の「饂飩」が示すものは、

今のうどんとはまったく別物です。)、

同じ国の家庭ごとによっても、同じ名前のレシピがまったく違う内容だったりするので

(例 英国の「イヴのプディング」は、家庭や地域によって微妙にレシピが違います。)、

これからいろいろと調べてみても面白いのかもしれないと思います。

「愛媛県の「タルト」について

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/taruto_ehime.html

福岡県の「カナッペ」について

https://www.tabirai.net/sightseeing/column/0000010.aspx

イヴのプディングについて

うどんについて

https://www.nichimen.or.jp/know/zatsugaku/14/

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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