高価で人気者の松茸
独特の香りを放つ松茸。
秋の味覚の人気者です。
何故あんなに高価なのかというと、
野生の松茸の数が少なくなった上に、未だに人工栽培に成功していないからです。
松茸の画像
そもそも松茸というのは、里山の赤松の生きている根に
菌が寄生して栄養をとって生えるキノコです。
「生きている根」に寄生するキノコであるゆえに、
人工栽培が難しいということになります。
今のところ、「菌糸」の培養に成功している例はいくつかあるようなのですが、
「花を咲かす」つまり、キノコを作らせる段階に至った例はないようです。
昔は普通のキノコだった松茸
昔、松の木やその他の雑木があり、
また、燃料にするために松の葉や落ち葉がかき集められ、
下に積もっていなかった「里山」には、松茸がたくさん生えていて、
そんなに珍しいキノコでもありませんでした。
戦後のエネルギーの転換により、薪で煮炊きや暖房をしないようになった結果、
「里山」は木の葉が積もって松茸の菌糸体、つまりキノコが生えにくくなりました。
また、松というのは陽樹といって、明るい所でしか生きられない樹種です。
適度な間伐がされなくなり、里山を手入れする人がいなくなると、
森の中が暗くなり、松茸の寄生主である赤松もなくなってしまったため、
松茸は高価なキノコになっている、という歴史的背景があるのです。
里山の風景
また、里山の荒廃は山と人里との境界を曖昧にしてしまったため、
今の農家様は獣害に困り、耕作放棄をするケースも増えております。
喫緊の課題として、何とかしなければいけない問題だと思います。
栽培に成功しているよい香りのキノコ
松茸と同じような香りがして、栽培に成功しているキノコには、
「バカマツタケ」というものがあります。
多木化学様という会社が、菌糸体、キノコを作る所まで成功したそうです。
今、商業化するために模索を続けている段階だそうですが、
成功すれば、かなりお安く入手できることになると思います。
と、ここまで書きましたが、
実は、筆者は松茸というキノコがとりわけ好きでも嫌いでもありません。
香りは面白いけれど、あまり味はないな、シイタケやエリンギやしめじの方が好き、
という感覚の持ち主です。
シイタケの画像
松茸が減った理由
バカマツタケ
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1810/25/news054.html