LSS #09-7

LATER SEQUELS SERIES #09

2023年11月  後年になって続編orリメイクが作られたシリーズ  愛及屋烏

蒼穹のファフナー(2004年・第一期)

蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT(2005年・前日譚)

蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH(2010年・劇場版)

蒼穹のファフナー EXODUS(2015年・第二期)

蒼穹のファフナー THE BEYOND(2019年・第三期 OVA)

蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE(2023年 スピンオフ OVA)

Continuation from last page. 09-6 https://no-value.jp/column/44482/

羽佐間翔子

「わたしは、あなたの還ってくる竜宮島(ばしょ)を守っています」

肝臓に持病を抱える、華奢で儚げな少女。性格は内気で大人しいが、芯はとても強い。

すぐに体調を崩す上に臥せりがちな為、まともに運動ができず、学校にもろくに通えていない。そのことから皆に自分の存在を忘れられないよう、体育以外は女子で1番の成績を維持している。

また健康面に問題を負っていることを常に気にしており、皆の足手まといになるまいと無理をしすぎる傾向がある。

母の羽佐間容子との二人暮らしで、猫の「クー」を飼っている。

実はアルベリヒド機関の保管遺伝子から生み出された子供であり、母親と血は繋がっていない。その事実を本人は既に察している。

しかし、母の容子は本当の娘として愛情をかけており、翔子という名前は「空高くはばたいてほしい」という母の願いが込められている。

彼女自身も母の愛情は理解しており、容子の事はあくまで本当の母親として慕っていた。

天才症候群として持っているのは「架空構成能力」。

要するに極めて高度な想像力であり、この能力によって通常の人間では「空を飛ぶ」というイメージが足りない為、一体化による操縦が基本的に困難とされる飛行型のファフナーを自由自在に乗りこなせる。本人曰く、「その状態へ移行する」のではなく「自分はすでにその状態である」と思い込み没入する、との事である。

ファフナーパイロットとしてのシナジェティック・コードの形成値はそれ程高くは無いものの、上記の天才症候群と普段から死ぬほどの痛みに耐えてきた故の痛みへの耐性の高さから、総合的な適性は一騎に次ぐほど高いとされていた。

遠見真矢とは親友で、毎朝登校前に彼女が翔子の家に訪ねてくるのが日課。

幼馴染の春日井甲洋からは好意を向けられているが、彼の気持ちには気付いていない。

自身は自分と対極の身体能力を持ち、かつて自身を助けてくれた真壁一騎に対してひとかたならぬ想いを抱いている。真矢にはその事を打ち明けているが、しかし真矢自身も一騎には密かな思慕を抱いていることに加えて、その真矢には皆城総士が好意を秘めている為、幼馴染同士で非常に複雑な五角関係を作っている。

ROLの主人公で同じ持病と悩みを持つ先輩の将陵僚とは、遠見医院に通院する者同士で、同病相哀れむ間柄であった。

その容姿や設定などから当初は彼女がメインヒロインだと思っていた人も多かった模様。

初戦での蔵前や皆城公蔵などの唐突に近い犠牲者達を除くと丁寧なフラグ建てと演出で視聴者に強烈なダメージを与えた初めての死者。

翔空~ぎせい~

一騎の出撃後の竜宮島がフェストゥムに蹂躙されるのを見た翔子は、一騎の帰る場所を守るという彼との約束を果たすべく、血の繋がりが無い事まで口に出し、母の制止を振り切ってマークゼクスに搭乗する。

元々、マークゼクスはその直前に人類軍への引き渡しが決定していた機体だった為、装備も内蔵武装しかなく整備も不十分な状態だった(実際に出撃後に動力部に異常が発生している)。それでもそんな状態の機体で飛翔して交戦し、なんとかレージングカッターで敵を拘束して島から遠ざけたものの機体を同化され、最早脱出する術はなかった。

翔子は内蔵された気化爆弾(フェンリル)による自爆を選び、母や仲間達が空を見上げる中でマークゼクスと共に散った。

翔子の死は彼らに深い傷を残し、本編では描写されていないが、この後に母の容子は自殺を図ろうとして、真壁史彦と総士によって止められている。

また、実際には指揮官の許可を得て出撃したにもかかわらず、島民の間には翔子が「勝手にファフナーを持ち出した挙句失った」という噂が流れ、彼女の墓が汚される事件まで起こった。それは、残された仲間達が同じ様な特攻染みた選択をしないようにとの総士の苦肉の策であったのは漫画版で明かされた。

だが、この行いが彼女に想いを寄せていた春日井甲洋の暴走と仲間との確執を招き、次の犠牲となる遠因ともなった。

後に羽佐間家の養子となった、人類軍のファフナーパイロットのカノン・メンフィスは、亡くなった翔子の遺品を受け継いで暮らす事になり、当人達同士に面識は無いもののカノンからは強く意識される女性となっていった。

そして、彼女もまたやがて義理の姉と同じ相手に惹かれていく。

『蒼穹のファフナーEXODUS』では、第18話からのOPにて回想シーンとして登場している姿を確認できる。

しかし、その直後に担当声優である松来未祐の訃報が発表されるという事態に…。とある番組でその闘病が特集される程の早逝だった。

音響監督のツイートによると収録する予定だったとの事で、24話の翔子の台詞が一部公開されている。

マークゼクス

翔子の搭乗機にして、空戦型のファフナー6番(ゼクス)機。

後に真矢が搭乗する7番機のマークジーベンは同型機である。

搭乗者の翔子の「天才症候群」による超高度な想像力のお陰で、空戦仕様である本機との相性も飛び抜けて高い。さらに搭乗者が日常生活でたまに死にたくなる程の痛みに襲われる為、苦痛に対する耐性が異常に高い。

また、仮想訓練時はほとんど変性意識は現れなかったのだが、実際の搭乗時には変性意識により、普段の様子とは正反対の極めて激情的かつ攻撃的な性格になった。

ここまで極端な性格になってしまったのは一騎への想いが全面に押し出された事が原因であり、それが一騎の為だと思えば総士の指示にも従わなくなる危険性すらある。

EXODUSでは鏑木彗が搭乗するマークゼクス改、カノン命名「アマテラス」が新造された。

聖戦士ショウ=コハ=ザマ

蒼穹のファフナー序盤においてフェストゥムを道連れに壮絶な自爆を遂げ、多くの視聴者を悲しみの渦に巻き込んだ悲劇のヒロイン羽佐間翔子・・・。

蒼穹のファフナーの参戦したスーパーロボット大戦UXにおいても、原作と同様序盤にて自爆してしまい、その儚い命を散らす事になった・・・のだが?

フラグを満たすと後に生還していた事が判明する。その方法とは何と…

自爆した際にオーラロードを開き、そのオーラロードで帰還したUX(自軍部隊)と入れ違いでバイストン・ウェルに召喚される。

という凄まじい方法であった。

多くのプレイヤーは衝撃を受け、いつしか

「羽佐間翔子」→「ハザマ ショウコ」→「ショウコ ハザマ」→「ショウ(コハ)ザマ」→「ショウ=コハ=ザマ」

と、彼女のフルネームに『聖戦士ダンバイン』の主人公・ショウ=ザマを見出した誰かが命名し『聖戦士ショウ=コハ=ザマ』が定着した。

加えて海と大地の『ハザマ(狭間)』に存在するバイストン・ウェルに『翔んだ』という翔子のフルネームにかけたクロスオーバーであり、プレイヤーからはかの「マークデスティニーのパイロット」に匹敵するUX屈指のクロスオーバーとして高い評価を得ている。

これは様々なスパロボ補正を目にしてきたプレイヤーですら誰ひとり想像できなかったであろう驚愕のクロスオーバーだったが伏線自体はあった。

・フェストゥムの襲撃を受けた地球連邦軍艦の救援に向かったマークエルフ(リンドブルム装備)とインパルスガンダムのSEがダンバイン系の物になっている。

・翔子の初出撃時にマークゼクスが黄色いオーラに包まれる演出があるが、これはショウやエイサップがオーラ力を解放した際の演出で使われている

・上記の通り、翔子の自爆と入れ替わりにUXがバイストン・ウェルから帰還

・特攻→バイストン・ウェルに召喚というシチュエーション自体がサコミズが召喚された経緯と同じ。

・チャムが甲洋を宥める際に「バイストン・ウェルは魂の還る場所だから、翔子って人も今頃は…」と発言する。

この生還は翔子の死で落ち込んでいたファフナー組を歓喜させ、あの不器用な総士ですら素直に喜びを表している。召喚後「凄腕の女聖戦士」として実戦を重ねた為か戦闘経験値も上がり、変性意識も落ち着いて、同期達の劇場版時レベルの歴戦のパイロット然としている。

その後は再びUXに参加し地上に帰還。容子とも再会を果たし、無事和解した。肝臓の持病はオーラ力によって浄化されたらしく、完治しており、好物の「おにく」も普通に食べられる。

自分がいない間に容子の元に身を寄せていたカノンからは当初は遠慮されていたが、翔子は積極的に「妹」となったカノンと交流を持ち、絆を深めていく。

カノンが因子移植用のフェストゥム・ゲネを投与しようとする際には、カノンの身を案じつつもその気持ちを汲んで後押しし、必ず2人で容子の元に帰る事を約束する。

そうして容子と共にカノンの理解者となった翔子は名実ともにカノンの「姉」となり、カノン当人も「私達は姉妹だ」と発言している。

また、本編ではカノンが翔子の服を着ている姿を見て、翔子が「いない」ことを理解した事で同化状態の甲洋はスレイブ型のフェストゥムへと覚醒したが、生還した場合、翔子が甲洋の目の前に現れた事がきっかけで覚醒する流れに変更される。

翔子の帰還を半同化状態にも関わらず、心から喜ぶ甲洋の姿はプレイヤーの涙腺崩壊を誘う名場面。

劇場版パートでは、楽園で働く一騎を遠見と一緒に手伝ったり、彼から料理を習おうとする等の恋愛方面での積極性を見せている。

ユニット的には、空戦かつ戦える支援型で翔子が有用な精神コマンドの祝福と再動を覚えるのも評価が高い。

to be next page. 09-8 https://no-value.jp/column/45044/

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愛及屋烏

ゲーム好き、小説好き、アニメ好き、三役揃いの物書きの端くれ。 ピンチに陥っても、それはそれで気楽にやるタイプ。 ●好きな言葉:続編・クロスオーバー・オールスター・アンサーソング・データ引継ぎ ●好きなゲーム:DQ・軌跡&イース・スパロボ・ゼルダ・神宮寺・逆裁・ラチェクラ ●好きなサブカル:ロボ全般・特撮全般・少、青年誌系 ●好きなドラマ:科捜研・相棒・CSI・キャッスル・十津川警部・赤い霊柩車 ●利用ソシャゲ:へプバン・ギアスロススト・Dr.STバトクラ・シンフォギアXD・スパロボDD・うたわれLF・ギター少女・勇者の飯 ●経歴:宮城出身、30代、なろう出版経験有 ●現在:脳梗塞療養にともないリハビリ&失業中

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