環境によって変わる味覚
皆様は、海外の方や、日本の他の地域の方の料理や味覚の違いを不思議に思った事はおありですか。
実は、人の味に対する嗜好や、料理の味付けは、気候や環境によって変わってきます。
筆者の親族は、酸味の料理とスイカが苦手だったのですが、
事情があって関西方面に転勤になった折に、
その期間だけ酢の物とスイカが好物になりました。
気候によって変わる体が欲する成分
ずっと不思議に思っていたのですが、
昨今、検索をかけて調べたら、その理由が分かってまいりました。
レンコンの酢の物の画像
酸っぱい食べ物にはクエン酸が含まれていて、
それが疲れた時に身体に蓄積する乳酸を代謝させる作用があるそうです。
また、暑さが厳しい地域では、体内の水分量の調節がおかしくなり、
カリウム(余計な水分を排出する効果)と水が豊富なスイカが恋しくなるようです。血流をよくするシトルリンという成分も入っているそうです。
スイカの画像
幼いころに好きだった食べ物
筆者にも思い当たる事があります。
小さいころに、異常に梅干しと納豆と煮干しが好きだった時期があったのです。
その頃は疲れやすく、食が細い子供だったので、
疲労回復をする効果があるクエン酸の入った梅干しと、
良質なたんぱく源である納豆と煮干しを本能的に欲していたのかもしれません。
梅干しの画像
地域によって変わる「好みの味」
そういえば、暑さが厳しい東南アジア、
例えばタイ王国の料理等は、暑い気候ゆえに辛さと酸っぱさが共存した味付けになっているものが多く(トムヤムクン等)、
また、ヨーロッパの北部等の寒い地方では、
脂質の多い味付けのものが多い感じがします(ホワイトシチュー等)。
寒さに抵抗するのに、脂質やタンパク質が必要と思われるので、こういう味付けになるのでしょう。
逆にエスカベッシュ等の酸っぱいヨーロッパ料理は、南欧が起源だったりするものです。(ポルトガル)
時代によって変わる食事情
もっとも、今は作り置きできて便利だという理由で、
結構北の方に位置するパリでもマリネは作られておりますし、
トムヤムクンは東北でも食べる事ができます。
人、もの、情報の行き来がだんだんと国境を超えて行われるようになり、
いろいろな食文化が世界で楽しまれるようになる事はとてもよい事だと筆者は思います。
「辛い」&「酸っぱい」が夏に欲しくなるワケ
https://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140319/dct1403191909081-n1.htm
スイカを夏に食べたくなる理由