日本で「マドレーヌ」と呼ばれるお菓子の2つの起源

「マドレーヌ」の2つの形のパターン

皆様は、「マドレーヌ」はお好きでしょうか。

バターたっぷりでしっとりとしたマドレーヌは

大概の人がお好きかと思います。

貝殻型の2つのマドレーヌの画像

貝殻型マドレーヌの画像

フランスに伝わっている「マドレーヌ」の由来

マドレーヌは、フランスのコメルシーという地域で最初に作られたもの、

という話がネットのあちこちに出回っております。

フランスにあるロレーヌ地方の公爵様に仕えていた

召使のマドレーヌが貝を型にしてあり合わせの材料で作ったケーキ、

という説が主流で、ウィキペディアにも書いてあります。

しかし、どうもこの話には前段があるのではないか、と筆者は考えております。

フランスのマドレーヌ型にも円形菊型のものがあるらしいですし、

マルセル・プルーストの有名なマドレーヌが描かれた小説のシーンでも、

紅茶に浸して食べられているのは円形のマドレーヌだった模様です。

また、筆者が昔目にしていた「マドレーヌ」と呼ばれるお菓子は、

円形菊型のアルミカップに入っているものが多かったように記憶しております。

円形菊型のマドレーヌの画像

スペインに伝わる「マグダレーナ」の由来

そして、成人してからスペイン菓子のレシピブックを見ていると、

「マグダレーナ」という円形菊型の、

大体同じ配合のレシピが出てくる事に気が付いたのです。

もっとも、こちらはバターではなくオイルが使われている場合が多いようです。

そして、スペインに伝わる「マグダレーナ」の由来は、

サンティアゴ巡礼のモチーフである貝殻を使って焼いた菓子を

スペインのマグダレーナさんが巡礼者たちに配った

という事になっております。

サンティアゴ巡礼はキリスト教の宗教行事で、

こちらは日本でいうと四国遍路あたりに近い感じになります。

2つの話の時系列

という事なので、筆者は、

おそらくサンティアゴ巡礼にいった誰かが、

このお菓子とレシピを持ち帰り、

それをフランス風にアレンジして作られたのが、

バターを使ったマドレーヌなのではないか、と推測しております。

フランスのロレーヌ地方では、食用油としてはバターの方がオリーブオイルより一般的です。

もしかすると、ロレーヌ地方にいた召使の「マドレーヌ」と名前が同じお菓子だったので、

誰か知人からレシピをプレゼントされたのかもしれません。

フランス語の「マドレーヌ」は、スペイン語の「マグダレーナ」という事になります。

どちらも、キリスト教の聖書に出てくる

「マグダラのマリア」という人の名前をとったものです。

こういう時系列の順番で話が進んだとすれば、

どちらの逸話も正しい、という事になります。

「昔のマドレーヌ」の焼き方の話

また、知り合いのフランスのお方から聞いた話によると、

その人の祖母の世代までは、大きなグラタン皿等で焼いて切り分ける、

という食べ方もあったそうです。

という事なので、筆者はたまにシリコンの大き目なバラ型でマドレーヌ生地を流して焼いて

プレゼントに使ったりもしております。なかなか好評です。

どんな由来にしろ、このお菓子のレシピがおいしいのは厳然たる事実なので、

作って楽しませていただきたいと思います。

マドレーヌの話

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%8C

マグダレーナの話

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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