地域によって違いがある「パン粉」
皆様は、パン粉をつけた揚げ物はお好みですか。
筆者は好物なのですが、
なかなか油を使うのが面倒で、年に数回しか揚げ物を作りません。
もっぱら、何かの折にレストランにいった時に注文しております。
筆者が幼い頃、「パン粉」といえば、乾燥した系統のパン粉しかありませんでした。
パン粉の画像
日本で購入できる2種類のパン粉
今は、大概のお店にて、「生パン粉」と「乾燥したパン粉」が両方とも売り場に並んでいるケースが多いようです。
筆者が欧米在住の知人に問い合わせたところ、イングランドやアイルランドでは、「生パン粉」しかなく、その知人が友達に日本式の「とんかつ」を食してもらおうと乾燥パン粉を日本から持っていったところ、麻薬と勘違いされてヒースロー空港で2時間ほど尋問された、とも言っておられました。
どうもこの地域では、ローストチキン等のお腹に詰める為の生パン粉が主流のようです。
そうなると、日本で昔も今も主流の「乾燥タイプのパン粉」はどこから来たのか、と気になって、調べてみる事にしました。
イタリアが源流の日本最初のパン粉
「目の細かい乾燥したパン粉」は、イタリア由来のようです。
シチリア島で、余って乾燥したパンを細かくし、オリーブ油をまぶしてパスタにかけたりしていたものが、揚げ物の衣へと発展し、フランス等に伝わり、洋風のカツレツの衣として明治時代ごろに使われ始めた模様です。
しかし、日本人はその揚げ物の風合いに納得できず、生のパンをほぐしてとんかつやエビフライやコロッケの衣にする、というのが洋食店の主流になりました。これが、日本の生パン粉の先駆けのようです。
しかし、生パン粉というのはすぐに悪くなるので、これを乾燥させた、粒の大きな乾燥パン粉、という日本独自のパン粉が出来ました。
皮肉なことに、英国ではこの中目の乾燥パン粉が、揚げ物の材料の「ジャパニーズパンコ」として現在販売されているそうです。
もともと海外から伝わったものですが、逆輸入された形になります。
ケーキなどに使う際には、筆者は普通の乾燥パン粉を牛乳で湿らせて使っております。やはり、生パン粉は価格が高く、また、保存性に問題があって買い置きできないからです。
適量の牛乳を加えて10分程度おいておくと、生パン粉のような状態になり、プディング等をつくるのにも不自由しません。
皆様も、ぜひお試しください。
パン粉について