SUCCESS NET NOVEL #03
2024年5月 なろう等のネット小説で諸々成功した作品 愛及屋烏
異世界食堂
Continuation from last page. 03-1 https://no-value.jp/column/58994/
ねこやスタッフ
店主/マスター
オフィス街にほど近い商店街の一角にある、極普通の洋食屋「ねこや」の主人。
開業者である祖父から店を受け継いだ二代目の店主。どちらかと言えば犬派。 店と同時に、週に一度土曜日のみ異世界へと繋がるねこやの「特別営業」を引き継ぎ、向こうの世界の住人に料理を振る舞っている。
アニメ版のCVが諏訪部順一なので某正義の味方感があるが、ふつうのオッサンであり、料理以外出来ない。
一方で先代店主の手伝いも含めて十数年の間、異世界と関わってきた為、多少のトラブルや変わった客等にはさほど動じることもない胆力の持ち主である。
常連客達(それも向こうの世界きっての強者達)が料理のことで喧嘩を始めかけた時も、出禁を匂わせるだけで大人しくさせている。(アニメ1話にて)
作中現在で30代後半の中年男性。 あごひげを生やし、がっしりした体型と描写されている。 年相応に体力のピークは過ぎており、腹も出っ張っている模様。
名前は本編中では明らかにされていない。祖父と姪が共に「山方(ヤマガタ)」姓である為、店主も同姓と思われる。 下の名前については作中で「マコくん」と呼ばれた事があり、それに類する名前と推定される。
かつて恋人もいたことがあったが、何かしらの事情で結婚する気はなく、現在も独身。
来歴
両親を交通事故で早くに亡くし、以来祖父を親代わりとして育てられる。 この時点では土曜日の特別営業については知らされていない模様。
同じビル内にある洋菓子店「フライングパピー」の店長とは小学生時代からの幼馴染。
ある日、たまたま先代店主が不在の時、特別営業のねこやを訪れ、当時の常連であるコロッケことヴィルヘイムに出会う。
その際おすそ分けのつもりで持ってきた、学校の授業で作ったジャガイモをヴィルヘイムの求めで売り渡した。
この異世界へのジャガイモの流出が後に向こうの世界における帝国の発展に寄与するのだが、本人はそのことを作中現在でも知らずにいる。
高校生時代は、ねこやと同じ商店街にある、中華料理屋「笑龍」でアルバイトとして2年間修行していた。この時点では中華の料理人を目指していた。
大学生時代は幼馴染の「フライングパピー」の店長と共に、喫茶店にてバイトを始めている。現在ねこやで出しているパフェやホットケーキなどの作り方はこの時覚える。
大学卒業後は先代店主が亡くなるまでは、手伝いとしてねこやで働く。少なくともこの時点で特別営業のことを知り、実際に働いている。先代店主の祖父が亡くなってすぐ後から、土曜日の営業を含めて店を引き継ぐ。以降もメニューの変更や向こうの世界で新たな店員を雇い入れるなど変化を加えつつ、立派に後を継いでいる。
実は向こうの世界で英雄と呼ばれた人物(祖母)の血を継いでいて、鬼(オーガ)の血が8分の1流れているのだが、影響も見受けられず、剣や魔法の素養は一切ない。
営業スタイル
ねこや以外に中華料理店や喫茶店で働いた経験や、日頃の研究により料理のレパートリーは洋食以外も広い。
ねこやのデザートメニューの内、クレープやホットケーキなど簡単な菓子類も手がける。
(一部のメニューの洋菓子は、幼馴染が店長を務める同ビル内の洋菓子店「フライングパピー」から仕入れている)
ただし洋食以外のジャンルは先代に及んでいないと考えているため、先代からのメニューからいくつか外した料理もある。(あまり洋食らしくないもの、仕込みに手間がかかるものなど)
一方で新メニューの開発にも熱心であり、賄いや日替わりで評判を見つつメニューを増やしている。異世界間の微妙な味覚の違いを調理に反映させる為に異世界の食材の研究にも余念がない。
アレッタ
週に一度、土曜日のみ異世界へと繋がる洋食屋「ねこや」のウェイトレス。 繋がった先である「向こうの世界」の住人であり、土曜日限定で働いている。 漫画版、アニメ版ともに原作より登場が早められており、出番が増えている。
十代前半の少女。 癖っ毛気味の赤みがかった金髪で、眼の色は赤みがかった茶色。 こめかみから小さく黒い、山羊のような角が生えている。
「向こうの世界」で邪神と呼ばれる存在を信仰し、その加護の証として「人ならざる部分」を肉体に持つ種族、魔族である。 だが魔族の中でも弱い部類であり、角以外に外見上の異質な点も、特殊な能力もない。身体能力、魔力ともに人間の娘と全く同じ。
来歴
「向こうの世界」における王国領土内の、荒れ地にある小さく貧しい村の出身。
両親が流行病で亡くなり、兄や姉もとうに家を出ていたため、王都に出て働き口を探す。
当初のうちは魔族であることを隠し、宿屋で給仕の仕事をする。しかし、正体がバレたことですぐさま追い出され、以降もまともに仕事が見つからない日々が続いた。
貧民も住まないような廃墟をねぐらとして、寒さと飢えに耐えていたのだが、ある日、不思議な黒い扉を見つけ──そのまま、偶然迷い込んだねこやにて、彼女の身の上話を聞いた店主から誘われ働き始める。
待遇は日給で銀貨10枚(日本円で1万円換算。ただし向こうの世界では若い娘の1ヶ月分の生活費に相当)、三食付き。
勤務時間は開店前から閉店後までの約14時間(休憩含む)。 働き始めて1年が経った時から、日給は銀貨12枚に上げられている。
文字の読み書きができないため、注文には暗記のみで対応している。 元々、宿屋で給仕の経験があったので記憶力は鍛えられていたようで、間違えたことはない。
お金の計算もできないので、会計は基本的に店主に任せている。 働きぶりは熱心で覚えも早く、店主からの評価も高い。
ねこやで就業前にシャワーや洗濯を行う事で一般的な魔族より相当に清潔になっている。魔族をよく知る客からは、その身奇麗さに驚かれる事も。
客の中には魔族に隔意を持つ者もいるが、アレッタと直接のトラブルになった事はない。
異世界で騒ぎを起こしたくない、出禁は嫌などの理由で相手が自重したり、敵対行動を取る前にクロに止められるためである。またそうした客が、アレッタの働きぶりや人格を見て隔意を解く事もある。
その積み上げた信用の結果、後に土曜以外の仕事として、トレジャーハンターで常連客のメンチカツ二世の家に住み込みでのいえ維持管理(兼家政婦)の様な仕事に就いている。
クロ
週に一度、「洋食のねこや」と繋がる「向こうの世界」の住人。 向こうの世界で神と崇められ、或いは最強の魔物と恐れられる六柱の魔竜の一。原作Web版とその他のメディアとでは、ねこやとの関わり方が異なっている。
死と闇の力を司る巨大な黒竜。漫画版では頭髪を生やしている。 ねこやを訪れる際は、膝を超える長さの黒髪と月色の瞳、白い肌を持つエルフの少女の姿を取る。これはねこやに来る以前は、人型の生物をエルフしか知らなかった為。
向こうの世界では同格の魔竜を除けば比較となるものがいないほど強大な存在。
人間の中で最高位の実力者すら「自分では何もできない」「下手に手を出せば日本が滅ぶ」などと評している。
六柱の中では最も力が弱いものの、その制御には長けており、最も賢いとされている。そのため気配を極端に薄くし、任意の相手やごく限られた強者以外には存在を察知されないようにすることもできる。
体の頑丈さは、隕石の直撃を受けて軽傷で済むレベル。
来歴
すべてを死なせる力を持つ、死そのものと言っても良い存在。
無意識に周囲にばらまいている「死を帯びた闇の力」だけでも大抵の生物は即座に死に至る。現在より遥かに高度な魔術を操る大昔のエルフ達も、月に侵攻してクロを目にした瞬間、即死した。向こうの世界の南大陸では神として崇められているが、信徒に直接関わる事はない。
太古の昔、あらゆる生命を食い尽くす化物「万色の混沌」を他の5柱の竜と共に滅ぼした。混沌との戦いでは他の竜の力で弱められた混沌のかけらを、死の力で完全に滅ぼす役目を担う。
戦いが終わった後は、地上を離れ向こうの「空の果て」と呼ばれる世界の月に住み着いた。その理由は、混沌が滅びた後に生まれた弱い生物が自分の力で死んでいく事を、「万色の混沌あれと同じ存在になったよう」であるとして嫌った為。
以降は一人、じっと深い思考の海に沈んでいたが、ある日月面に扉が現れ──
初来店時、常連のアルフォンスが店主の頼みで新作のチキンカレーを試食しているところだった。興味を持ったクロも同じものを注文し、たちどころにハマる。そのまま際限なくおかわりを続けた。
閉店間際、おかわりが100杯ほどになったところで、最後の客として訪れた「赤の女王」と数万年ぶりに再会。
女王から「この店で最も美味い料理」を尋ねられてチキンカレーと即答。 (この時、女王の大好物であるビーフシチューと答えていたら、魔竜同士のガチバトルになっていた模様)
その答えに満足した女王は、クロに料理の代価に金が必要であることを告げ、店主にある提案を持ちかける。 今後の料金は赤の女王が肩代わりする事、そして――
従業員として
web版では営業時間中、スタッフの護衛を兼ねて、店の一角でずっとチキンカレーを食べている常連。
文庫版・アニメではチキンカレーを給料代わりに、異世界食堂2人目のウェイトレスとなる。
文庫版では発話や表情を作ることが不得手のため接客は行わない。 アニメでは接客も行い、敬語も使えている。ただし、客に対しては念話で語りかけており、初めて対応した客には驚かれている。
務めだして105日目以降から、店主とアレッタに対しては口で話すようになった。
客の表層意識を読んで、追加注文を店主に伝えたり、料理の給仕や片付けが主な業務。やはり一部の者以外には存在を気づかれていない。
そのため客からすると、追加しようとした料理がいつの間にか置かれていることになる。
これは護衛として、あまり自分の存在を周囲に知らしめない意味もある。
給金兼賄いとしてチキンカレーを毎食食べている。 後に夜食として出されたキムラベーカリーのカレーパン(揚げるのは「ねこや」で)も好物となった。 他の料理も時々食べており、カレーやカレーパンほどでは無いにしろそれなりに気に入っている。
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