各地に共通する「お盆の供え菓子」
皆様は、お盆はいかがお過ごしだったでしょうか。
筆者は、お盆らしい行事といえばおはぎを食して法事に出たくらいでした。
その後、「お盆に作られる郷土菓子」に興味を持ち、調べてみたところ、静岡、鹿児島、香川県に、同じような作り方と外見のお盆の郷土菓子がある事に気が付きました。
餡の乗った串団子の画像
米粉や餅粉で団子を作り、それを小豆餡で和えたようなお菓子が、この結構離れた土地で作られております。
名前はそれぞれ違っていますが、ルーツは同じなのでしょう。
「供え菓子」の歴史についての考察
この餡団子が作られるようになった歴史を、筆者なりに推測してみました。
少なくとも、小豆や米やもち米が栽培されるようになったのが弥生時代以降なので、それ以降の歴史がある食べ物なのだと思います。
多数の地域に同じようなお供え菓子があるという事は、同一の文化的背景によるものと推測されます。
もしかすると、ヤマト朝廷が勢力を伸ばしていく過程で、祭礼と一緒に供える神饌も伝わったのでしょうか。
確かに、日高見の地(東北地方)ではこれとは毛色が違う供え菓子が伝わっている感じが致します。
ここは、朝廷の影響が及ぶのが一番遅かった地域なので、文化まで完全に変わっていないのでしょうか。
お盆の食事の「制約」
とはいえ、お盆は仏教の行事で、この時期の動物の殺生が禁じられているため、どの地域のお盆の料理やお菓子も、動物性のものは使われていません。
同じような時期に行われる神道の行事では動物性の供物がある場合も少なくないので、完全に仏教系の食事文化だな、と思います。
日本では、「本地垂迹説」や、「神仏習合」等があったので、宗教行事の食事も習合してもいいように思いますが、行事食の点はきっちり分かれているようです。
タブーに触れないという事を、昔の人は重視したのでしょうか。
来年は作りたい「お盆の行事食」
今年は材料をそろえるのが大変だったので、この地域のお盆の行事食である「おくずかけ」を作れなかったのですが、来年は野菜の物価がもう少し下がり、作れるようになる事を期待しております。
お盆の和菓子