体調が悪い時の食事
皆様は、具合が悪くなった時に何を召し上がっておられますか。
風邪を引いた時等には温かくて消化がよく、栄養価が高いものを食するのが定石とも言えますが、
それが大間違い、という場合があります。
「蘇」の画像
平安時代の貴族として有名な「藤原道長」様は、晩年に体調が悪くなった時に、牛乳を煮詰めて作った「蘇」にはちみつをかけて食べる「蘇蜜」という物を養生食品として食べておられた、という記録があります。
ところが、道長様の症状の記録を見ていると、どうも重度の糖尿病を患っておられたようで、この養生食品では病気を悪化させてしまう可能性が高かったと思います。
糖尿病の時は、低カロリーにしてだんだんと体重を減らしていくようなダイエタリーな食事にしないといけないのですが・・・
当時は「糖尿病」がどんな病気かも分かっていなかったので、とにかく弱っていく道長様に栄養をつけて何とか元気になってもらおうという事で、当時は超高級品で医薬品の位置づけともなっていたこの食品が用いられたようですが、糖尿病の進行に拍車をかけてしまったようです。
祟りを疑われて加持祈祷等も当時は行われたのでしょうが、効果があったかどうか疑問です。
とはいえ、藤原道長様というお方は、当時としては珍しく60代まで生きておられました。
貴族といえども、運の悪い人は20代で亡くなる事も珍しくなかった時代なのです。
やはり、人一倍気力と体力があり、政治にまい進していたのが健康によろしかったのでしょうか。
当時の貴族の食生活を見ていると、これでは栄養学的に長生きできない、というような食卓と筆者には見えます。山盛りの白米に申し訳程度に香の物やおかず、という感じなのです。これでは、糖尿病か脚気で長生きできそうにない感じです。
皆様も、健康に留意し、ビタミン源であり食物繊維を含む野菜、たんぱく源、でんぷん源をバランスよくとる食生活を意識して過ごされてください。
「蘇蜜」について
https://www.toraya-group.co.jp/corporate/bunko/historical-personage/bunko-historical-personage-114
平安貴族の食生活