イチジクについてのお話

栄養豊富で注意が必要なイチジク

皆様は、イチジクはお好みでしょうか。

筆者は生のイチジクも、甘露煮等の加工品や、イチジクを焼きこんだケーキ等も好物です。

しかし、カロリーが高くて食べると太るのが確実なので、なるべく自粛しております。

たくさんの半分に切ったイチジクの画像

イチジクの画像

イチジクの歴史と日本名の由来

イチジクは西アジア原産の果物で、今では世界中で栽培されていますが、昔は栽培されている地域はかなり限られていたようです。

AD歴が始まった頃のローマでは、少なくとも生の果実を食べられなかったようですが、エジプトからの干した果実の輸入品はあったのではないかと推測しております。

古代ペルシャでは「アンジール」と呼ばれていて、それが中国に渡来した時に「映実果」(エイジツカ)と呼ばれるようになり、さらに日本に上陸したときに、この呼び名が訛ってイチジクと呼ばれるようになったという説が有力となっております。

イチジクの受粉の仕組み等

また、イチジクは「無花果」とも書きます。

花がないのに実がつくのは変だと思うお方もおられるのではないかと思いますが、実際は、実のように見える青い部分の中に花が咲いております。

そこにイチジクコバチという蜂が産卵し、中で孵化してオスと交尾して卵を持ったメスのイチジクコバチが出てきて、花粉がたくさんついた身体で雌株(イチジクは雌雄異株の植物です。)の果実にもぐりこんで受粉させる、というメカニズムになっております。

ちなみに、オスのイチジクコバチは、実の中でメスを出す穴を開ける為に体力を使い、力尽きて死亡してしまいます。

という事は、イチジクの中にはハチのミイラが入っているの?と怖くなるお方もおられるかもしれませんが、国産ならそういう事はないので、ご安心ください。

日本にあるイチジクの品種は、勝手に自家受粉して果実が太るタイプの木が大半で、また、大体イチジクコバチは日本の気候では寒くて生息できないそうです。

また、海外のイチジクでも、中にいるハチの死骸は酵素で分解されてしまうということでした。

では、どうやってヒトはイチジクの品種改良を行ってきたかと申しますと、スポイトで実の中に花粉を注入し、できた種を蒔いて選別する、という方法をとっているのだそうです。

人の知恵と欲望はすごいものだ、とこの話を聞いた時に思いました。

皆様も、イチジクを食べる時に、この生存戦略と人の営みについて、少し考えて見られると面白いと思います。

イチジクについて

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%B8%E3%82%AF

イチジクの人工授粉の方法

https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/fruit/2012/142b0_04_09.html#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%81%E3%82%B8%E3%82%AF%E8%8A%B1%E3%81%AE%E3%81%86(%E7%9B%B4%E5%BE%84,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%AB%E3%82%88%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E5%8F%97%E7%B2%89%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%80%82

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モーニング

朝が弱く、空気が読めないキャラクターです。食べ物についてのコラムを中心に書かせて頂きたいと思います。 好きな事は、読書と料理、菓子作りです。

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