近づいてくるクリスマスの食の行事
段々と気温も下がってきて、秋冬の気配が漂ってまいりました。
皆様の中には、クリスマスのイチゴショートケーキが楽しみ、というお方もおられる事でしょう。
筆者は、クリスマス前の期間にシュトーレンを賞味し、クリスマスの日にはよくできたバゲットと鶏もも肉を買ってきて、ローストチキンを作り、ショートケーキを賞味するのが毎年の行事となっております。
イチゴのショートケーキの画像
このイチゴのショートケーキでクリスマスをお祝いするのが日本だけの慣習、とご存じの皆様も多い事でしょう。
フランスではビュッシュ・ド・ノエル、英国ではクリスマスプディング、イタリアではパネトーネかパンドーロ、スペインではポルボロン等で、日本のショートケーキとは似ても似つかないお菓子ばかりです。
一体どこからショートケーキが来たものかと、大いに疑問に思っておりました。
クリスマスのショートケーキの経緯
そこで、少し調べてみましたところ、アメリカのストロベリー・ショートケイクというお菓子を、日本人好みのスポンジケーキにアレンジして不二家の創業者様が作ったお菓子らしい、という説が有力だという事が分かりました。
このストロベリー・ショートケイクというものは、「生クリームとイチゴをスコーンではさんだもの」とネットには出ておりますが、おそらくはアメリカなのでスコーンではなく、「ホットビスケット」ではさんだものだったのではないかと推測されます。
スコーンと同じようにバターを粉に切り込んで混ぜ入れて作るものなのですが、牛乳のみを水分に使い、お菓子の時間だけではなく、食事のでんぷん源として食するところが少し違います。
日本でも某ファーストフード店で食べられるものです。
しかし、日本人には少しぱさぱさして感じられるので、不二家の創業者様はこれをしっとりしたスポンジに換えてアレンジして、日本人向けのクリスマスケーキとして売り出したものと推測されます。
これも、欧米の方々と日本人の唾液の分泌量の違いによって、美味しいと感じられる生地が違う、という現象を表す1つの例と言えます。
別にサクサクとしているわけでもないのに、「ショート(さくさく・ほろほろする)」という意味の名前がついているわけが分かりました。
多様化するクリスマスケーキ
昨今は、ホテルメイドのクリスマスケーキ等でドイツ風のお菓子の家タイプや、ビュッシュ・ド・ノエルタイプのケーキも出回っきておりますが、その年の気分ごとにいろいろなタイプの「クリスマスケーキ」を楽しめるところも、日本の食文化の良い所ではないかと思います。
イチゴのショートケーキについて