昨日お話した、ライチシリーズの第2弾のブログになります。
ライチの画像
長江流域の美味なる果物
ライチというのは長江流域に生えている果樹なので、昔の蜀、今の四川省の出身だった楊貴妃の好物としても有名です。
早馬で長安まで取り寄せていた、という話も聞き及びます。
しかし、中国の歴史は長いので、楊貴妃の他にも長江流域出身の歴史上の美女が何人か記録されております。
長江流域出身とされる美女の方々
三国志の時代の「喬公の二名花」と呼ばれた姉妹の美女、
また、越の国と呼ばれた長江流域の地域の西施、等方々が生きていた時代にも、おそらくライチは栽培されていて、彼女たちの初夏の好物、季節の到来物として喜んで食されていたと推測されます。
一番古い時代の記録に出てくる、おそらくライチが好物だったと思われる「美女」は、蘇妲己というお方でしょう。
この方も、名前に「蘇」と入っている事から、殷の王都に連れてこられた江南出身のお方だった可能性があります。季節になると、瑞々しいライチが食べたい、と思ったのではないでしょうか。
しかし、「喬公の二名花」や、越の西施のように江南在住者ではなく、楊貴妃の時代のように早く走れる馬がこの地域にいなかった為、食べたくとも食べられない郷里の味だったと思います。
そのせいで精神のバランスを崩して、いろいろ悪名の残る行為に走った、というわけではさすがにないのでしょうが、料理の地域差でホームシックになる、というのは、今でも旅行者、留学者、海外勤務のお方等でもよく聞く話です。
長江流域でなくてもライチが食べられる現在
とはいえ、今の時代は流通網が発達していて、到底ライチが育つはずもない日高見の地のスーパーや青果店にライチが並んでいて賞味できるのは、幸せな事だと思います。
何かの間違いで、世界的流通網にトラブルが出ない事を祈っている今日この頃です。
蘇妲己について