クレオパトラの真珠にまつわる逸話
皆様の中には、「クレオパトラ7世が真珠を溶かした酢を飲み干して見せた」という逸話をご存知のお方もおられるでしょう。
これにアントニウスというローマの武人は度肝を抜かれたそうです。
おそらくはトリック
しかし、筆者はこの話は「トリック」だったのではないかと考えております。
なぜかというと、筆者は実際に真珠の原石を購入して、米酢に放り込んで3日ほどおいて実験した事があるからです。
真珠は表面が荒れたようにすら見受けられませんでした。
南洋真珠の画像
筆者が実験に使ったのは、コアが入った養殖真珠で、巻きが薄い3ミリ程度のものでしたが、それでもまったく被害がないので、当時の世界で大きい方と考えられる、中心まで真珠層の1センチぐらいの真珠なら、どうにかなるはずがないのです。
当時の世界にあったザクロ酢やワインビネガーは、今の米酢よりPHが低かったと推測されるので、まず溶けないでしょう。
酢を加工して作った、実験室にあるような酢酸なら真珠は溶けるはずですが、そうなったら、クレオパトラ7世様の胃袋と身体がただで済むはずがなく、緊急搬送されてしまったはずです。
トリックに使った真珠は再利用
おそらく、飲み干したとされる真珠は金銀で耳飾りに加工されていたので、盃の中でカラカラと音がしても怪しまれなかったと思います。
クレオパトラ様は厨房に下げさせた真珠をすぐに水洗いして、宝石職人にわたし、その真珠をまったく別のデザインのイヤリングなり宝飾品なりに加工させてしまったのではないかと筆者は推測します。
宝石鑑定家でもジュエリー作家でもない軍人のアントニウスは、そうしてしまえば同じ真珠と見抜けず、「また大きい真珠を献上されたのか、すごいな。」程度にしか思わなかったのではないでしょうか。
この点で言っても、クレオパトラ7世様というお方は度胸がある方だったと筆者は思います。
美容と健康に良いとされる真珠
とはいえ、クレオパトラ7世様は、美容の為に真珠の粉を溶かした酢の飲料を愛飲していたらしいと記録にのこっております。
実際、真珠のコンキオリンという成分は美容に良いということになっておりますし、カルシウムもとれるので、健康にもよろしかった事でしょう。
こういう贅沢な真似は出来ませんが、骨粗鬆症防止にカルシウムの摂取を心がけようと思います。
クレオパトラ7世様と真珠の逸話