SUCCESS NET NOVEL #05
2025年2月 なろう等のネット小説で諸々成功した作品 愛及屋烏
幼女戦記
前述
ネット小説全盛期は過ぎた感はあるが、戸口は広がり、
作品人口は拡大を続け、玉石混合の魔境である。
単純に出版小説としての成功、コミカライズ、アニメ化と成功のポイントは
多岐に渡るが、その中でも特に全局面的に成功した作品を紹介したい。
自叙
アニメのキャラデザは人によって好みが分かれそうなので、
安牌の原作とコミカライズ版をお勧めしたい。
概要
最前線にて幼女(バケモノ)は嗤う
『幼女戦記』は、カルロ・ゼンによるライトノベル、コミックス、アニメ及び、その元となったオンライン小説。 著者がライトノベルって言ってるんだから、ライトノベル。
ついでに2016年秋には電子書籍化が決まったので「これでヘヴィじゃなくなる」とのたまってるとかなんとか…いや物理的な重量の事じゃないから…。
書籍版をベースに書籍付属のサウンドドラマ、漫画、アニメ、映画、とメディアミックス展開が行われている。
原作は2011年から日本の小説投稿サイト「Arcadia」にて連載された。
2013年10月からWeb版を改稿する形でエンターブレイン (KADOKAWA) より刊行されている。イラストは篠月しのぶ。
タイトルのインパクトと表紙の可愛らしい幼女から、変に敬遠せずに是非お手に取っていただきたい。
ほーらとってもいい笑顔 まこと麗しきその御姿
ジャンルとしては異世界転生性転換架空戦記物とでも呼ぶべきカオスな作品。
なんだかどっかで聞いたような国々による熾烈な世界大戦を主人公達が戦い抜いていく本格的な戦争小説である。
「なのはの二次創作をリスペクトし、ストパン要素を取り込んだ作品」という、創作背景だけを聞いて本作を読んだ人の一部は多分、怒る。
2016年にアニメ化、コミカライズ化が発表。 ファンからは「マジで……?」「内容ヤバすぎて放送出来なくね……?」と困惑の声が寄せられた。
コミック版は月刊コンプエースで2016年6月号より連載開始。 2022年7月時点で既刊25巻。 著者は同誌連載されていたコードギアス 双貌のオズの東絛チカ。
毎月2話掲載(70P前後)の超ハイペース連載。 原作未読の人でも異様にわかりやすい内容、原作挿絵に負けずとも劣らないデグ閣下の顔芸連発、ターニャが所々で可愛い……等々、蓋を開けてみれば、恐るべきハイクオリティでファンを戦慄させている。
ちなみに東絛チカ先生は企画が決まった後、原作の1巻を読んだら虜になったが、最初にタイトルを聞いた時に一瞬引いた、とインタビューで語っている。 まぁ、そうだよね。
因みにコミックはコミックス24巻の時点でようやく中盤戦。 いよいよ地獄の東部戦線が始まろうか、というところ。
アニメは2017年1月から放送。フランソワ降伏まで扱っている。
登場人物がおっさんだらけそもそも主要人物に女性が2・3人しかいないの本作、声優陣も洋画の吹き替えキャスト並みの大御所が勢ぞろい。
また、公式サイトでプチアニメ「ようじょしぇんき」や、公式ラジオも配信している。
因みに作者曰く、 「これを書籍化したエンターブレインは正気じゃない」 「これのアニメ化を企画したエンターブレインは勇者の中の勇者」。
おいおい、お前が言うな。
円盤の売り上げは上々で、2019年2月より、劇場版も放映。そして2021年6月には二期『幼女戦記Ⅱ』の制作が決定した。
2019年4月からは、4作品によるクロスオーバーアニメの「異世界かるてっと」にも出演。
全体がデフォルメされた作風の為、ようじょしぇんきの絵柄。
「オバロ」「リゼロ」「このすば」の同年代でヒットしたなろう異世界物、三作品に囲まれている。 いや、幼女戦記は別になろう作品じゃないんだが。
あらすじ
主人公はエリート街道を突き進む、超絶リアリストの男性。 彼はある日、自分がリストラした元社員によって駅のホームから突き落とされて死亡する。
彼の前に現れた神を名乗る存在Xは、信心の欠片も無い彼にブチ切れて、信仰心が目覚めそうな環境ーー魔法の存在する戦争真っ只中の世界へ、彼を女として転生させてしまう。
こうして彼、改めターニャ・デグレチャフは、帝国軍魔導師として、世界大戦の最前線を戦い抜いていく。
敵からは悪魔、味方からはバケモノと恐れられながら――
更に40年後の未来。 敗戦した帝国の謎を、ある記者が追っていた。11番目の女神の謎を…。
to be next page. 05-2 https://no-value.jp/column/99850/