父は「笑点」が大好きである。毎週欠かさず観ているらしい。私もときどき彼に付き合って「笑点」を観る。
「笑点」では、前座として芸人が出てきて漫才やコントを披露する。
この間の「笑点」の前座はレギュラーさんというコンビで「あるある探検隊」というネタを披露していた。何気なく観ていたのだが、その中で披露されたある「あるある」が記憶に焼き付いている。それを今回タイトルにしてみた。
「パンダは割と汚れている」といった感じの「あるある」。私はこの「あるある」にハッとさせられた。
今はもう日本にはパンダはいない。昔いたときに、私はパンダを何回か観に行った。パンダのことは大抵みんな「かわいい」という。確かにグッズ展開も多いし、ぬいぐるみもかわいい。パンダが大好きな人たちはたくさんいる。パンダが好きすぎて動物園に通い、写真を撮りまくる人も存在する。そのくらい人気者なのだ。パンダという生き物は。
私もパンダが好きである。ぬいぐるみも持っているし、観に行ったときに写真も何枚かおさめた。何年もパンダ熱に浮かれはしゃいでいた気がする。
しかし最近、そのパンダ熱がたった1つの「あるある」によって冷まされてしまった。
確かに、「パンダのぬいぐるみと実物のパンダはなんか違うな…」とは薄々思ってはいた。でもみんなが「かわいい」と言うし、水を差すことだと思って言語化しなかった。
おじさんみたいに座り、笹をもぐもぐ食べていたパンダ。下半身はなんだか茶色く汚れていたことをうっすらと思い出してきた。「本当に本物のパンダはかわいいかったのか?私は本当にそう思ったのか?」と最近はこうした疑問までもが湧き出てくる。
かわいいのかどうかは、もう一回、実物のパンダを観て判断したいところ。しかし、残念ながら日本にはもう、パンダはいない。確かめようが無いのである。
以下は以前、上野動物公園で撮影したパンダの写真である。画質が荒いのは許してほしい。

うーん、確かに…。汚れているっちゃ汚れている。
汚れていてもパンダはかわいいのかもしれない。でも、汚れている事実に向き合う必要はある。
汚れがなんだ。汚れているから何だっていうんだ。
動物園の他の動物だって、汚れている子はいるだろうし。私は、なぜパンダだけが汚れを指摘されてこんなに動揺させられるのだろうか。
ワオキツネザルだって、ベンガルトラだって汚れていることもあるかもしれない。
でも「パンダは割と汚れている」という「あるある」のインパクトの前にはどんな動物も無力だ。
ゾウが汚れていても「まあ…ゾウだしな」と思うし、イノシシが汚れていても「まあ…イノシシだしな」と思う。
でも、パンダの汚れを直視するのは、なんだか…ちょっと苦しい。
差別でしょうか。いいえ、誰でも。
終わり
