夢の中のような日々、過ぎ去っていった悠久の日々。
全ては予定調和の中のモノだったのか?
それとも運命というモノの意思がそうさせたのか…いずれにせよ後世の者達が書き記せばいいことなのか。
未だ絶えぬ思索の中に彼女はいた。
ドミネイター…支配者などという二つ名で人間たちは私を呼び、畏怖を抱く。
吸血鬼の祖に連なる私の存在に抱く印象としては妥当な事だ。
エルゼベートは宵闇の支配者として至極当然なこととしてそれを受け入れ、興味を抱くことも無い。
中世の頃のような若き日にはその称号を誇らしいモノとして胸を張っていたが、それもとうに過ぎていった懐かしい記憶だ。
そして悠久の時の中で私の選んだ道は照らし出されて未開の地は拓かれている。
これから歩んでいく久遠の長さの時間の中では私でも知りえぬ未知が存在するのだろう。
その先には誰もが想定できない可能性世界があるのだ…不死であるだけでは到達できぬ領域もあるだろう。
しかしそれもまた一興だ。
エルゼベートはしつらえさせた玉座から立ち上がり、自らが統べた領地を見渡してより深い思索にふけることにした。
これまでの日々、そして新たな日々の刻むための目録の題名を決めていくために。
