「お兄ちゃん・・・。今日も走らないの?」
「・・・流日。ごめん。お兄ちゃんやりたいことができたんだ!だから昔みたいに走れそうにない!」
俺はお辞儀をして謝罪した。これが俺のケジメだ。
「・・・いい加減にしろよ!!お兄ちゃんは怪我して2年も経ってるだろ!なのにまだ逃げ出すっつうのかよ!?」
流日は今にも泣きそうな顔だった。
・・・そうだよな。ある意味お前のいう通り、逃げているかもしれない。
だけどもうどんなことにもお前とは別の道に行く。
自分も少し悲しそうな顔を漏れる笑顔をしてしまった。
「兄ちゃんの弱虫!!お兄ちゃんは忘れたの!?二人で世界に行こうって!!」
「・・・・・・約束は覚えてる。・・・でももう俺にはその約束は守れそうにない。」
「・・・この、兄ちゃんのクズ!!」
・・・バタン!!
部屋を出て行った音は大きかった。・・・クズか。ある意味そうだろうな。俺は約束を守れなかった。
「・・・ひぐ、・・・ひっぐ!・・・ごめん!どうかしてるのはわかってるんだ。・・・でももう怖いんだ!走るのが・・・。」
嗚咽が漏れるように体育座りで涙を流してしまった。ある意味弟に見せたくなかった涙だ。
秋の高総体が終わり頃を迎えた。