「・・・俺は昔いじめられてたんだよ。・・・親との関係も良くなくてな。俺からすれば良いとは言えない家庭環境だった。あまり親しい間柄の友人もいなくてな。・・・・・・そしたら性格がめちゃくちゃひん曲がったと言うか・・・。」
そんな事を言ったって信じてくれないんだろうな。
うるうるうるうる・・・
まじか!?白岩が泣いてる!?どうして俺の話で泣くんだ!?
それを見たほかのクラスメイトが言ってくる。
「おい!あまりいじめるなよ落ちこぼれ!」
「あんたみたいな転校生を泣かせるやつはほんとクズだわ・・・。」
違うんだ!そうじゃない!こいつが勝手に泣いてるだけなんだ!
「黒田君にそんなことを言わないで!!」
・・・・・・えっ?
「黒田君は本当は優しいやつなんだよ!僕も昔友達とはあまりいい関係を保てなくてそのまま転校したけど、理解者にそんな事を言わないで!」
白岩・・・・・・。
クラスメイトが不思議そうな顔をしてこう言いながら去っていく。
「・・・・・・こいつの気持ちがよくわからねえ・・・。」
「何で泣かせたやつを理解者と呼べるのかしら・・・。」
・・・何だろう、白岩は気持ちいいほどの理解者と俺も言いそうだった。
・・・・・・自分が情けない・・・。
「・・・・・・・・・すまないな・・・白岩・・・俺を庇ってもらって。」
「だからどうして謝るの?僕の家もね。兄が就職に失敗したショックで引きこもりになってしまって、親も精神的に疲れておかしくなったんだよ・・・。だから決していい環境ではなかったんだよ!これ以上自分をいじめないで・・・。」
どうして・・・、どうして俺にそこまで優しくするんだろう。
「・・・あああ、・・・うわああああああ。」
こいつの言葉で俺は子供のように号泣した。お互い喚くように教室に響いた。何でだろう、心の中で理解者とも呼べる存在だった。
白岩が転校してから毎日楽しい日々が続いた。
卒業して2年が経つ。