秋ごろに入る季節、座敷童のあおい君は山道をずんずんと進んでいた。
「まや、脚が止まってるよ。」
この子は疲れ知らずなの!?
私は疲れて息が上がっていた。
近くのベンチを見て即座に反応したかのように、私はベンチに指をさした。
「あおい君!あそこで休憩しよ・・・?」
「・・・ここはやめといた方がいいね。張り紙をよく見て。」
あおい君が指した方向が「クマ注意!」という、いかにもここに襲ってきますよという忠告が貼ってあるポスターで、危険を察知していた。
私は疲れて頭が回らなくなったせいか、年相応の子どもながらに喚いた。
「まだ休憩するのは先だって言うの!?さすがに疲れた!」

「こういう危険を知らせる張り紙は、実際に何度もあるという事例が起きるんだよ。ここまで来たんだから我慢して。」
「だって、山寺がこんなにきついとは思わなかったもん!」
そう、私たちが来ていたのは、数段上るだけで煩悩が消え去る山形で有名な神社「山寺」という場所に来ていた。
因みに一緒にいるのは私とあおい君の二人だけだった。
というのもこれには友達のつむぎ君もかおりちゃんも、一緒に登る予定のはずだった。
まあ、事の始まりはこういう事なんだよねえ・・・。
