#5「悪意と殺意」
幹汰……どうか、無事でいてくれ…
そして私のことを思い出してくれ…愛しの幹汰…
懸賞金の金額が100万から150万に変わった…
その金を付け狙い、住民に狙われる姫路幹汰。
幼馴染である未梨愛と一緒に逃げていた。
なんなんだよ、あいつ!誰だよ、ライザックって……
あんなやつ知らねーし会ったこともないのに!!
憤りを感じていた幹汰は、怒鳴りながら必死に逃げていた。
カンちゃんを困らせる天敵は、あいつね?
未梨愛は、唇をかみながら呪文のように…ある言葉を連呼した。
ユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイユルセナイ
その言葉と声のトーンをきいて、殺気を感じた幹汰は黙ってしまう。
大丈夫だよ、カンちゃん……
私があいつを必ず始末してあげるから…♡
……そこまでは、しなくていいよ…
俺は始末してほしいんじゃない…ただ、ライザックと話がしたいんだ。
なんのために、俺の情報を晒しているのか。そして……なんで、俺のことを知っているのか……俺が覚えてないだけで関係者……なのかな?
でも、あんな黒いマスク被った男を俺は知らない。それに声もボイスチェンジャーだったし。なんで、あいつはこんなことをしているのか……
俺は知るべきだ。だから、俺の目標は1人でヤツのいる居場所へ行くこと……
あの……姫路幹汰?
俺が決意をした、その時だった……。背後から声を掛けられる
え?
カンちゃん、そいつ危ない!!
ナイフを持って幹汰を刺そうとする謎の男。
未梨愛の呼びかけもあったおかげか、間一髪で避けることができた。
男は、未梨愛が取り押さえてナイフを突き出される
…………こ、ころさな…………
ダメよ……
私、カンちゃんを少しでも傷つけたものはだれであろうと容赦しないの……
ま、まって……話を……
さよなら。
グサッ_________
未梨愛は男の頸動脈を勢い良く深く突き刺した。
男は失血死……一瞬何がおこったのか分からない幹汰は呆然としていた。
み、未梨愛?
安心して、カンちゃん……もう始末したから。
その言葉を聞いて……男のあたりを見渡す幹汰。
男は、さっきまではとはうってかわって一言も発さずに倒れていた。
寝ているだけ……だよな?
そう、声に出したら未梨愛からの言葉は……
いいえ、完全に死んでいるわ。
そう、返ってきた。
言葉を失う幹汰と狂気に満ちた笑いをする未梨愛。
2人の距離は、また一歩…………遠のいていった。
そろそろ私たちの出番ね!!
そうね…………
みんなで、あのお方をお守りするわよー!
みんなー準備はいい?
ゾロゾロと周りに集まってくる集団…………
気配に気づき、周りを見ると人が集まっているのを察知し、未梨愛は幹汰の手を引いて“逃げよう”と言うが
人殺しなんかと一緒にいたくない。
と拒絶されてしまう。
カンちゃんのために殺したのよ!
“いまは人が多いからとにかく逃げよう”
未梨愛は幹汰に言うが幹汰は首を横に振る。
協力プレイは一時中断となってしまう…………