早く止血しないと!!
……私、助からなくてもいいや……
なに言ってるんだよ!!ここまで来たのに……
ライザックの正体もわからないままで……
未梨愛はそれでいいのかよ・・・・????
もういいの…………カンちゃんをこうして守ることができたし……それに、アルが待ってる気がするの……
まっててね…アル…わたしもすぐ……そっちに行く…から………
未梨愛―――――――
気絶してるだけだ……
ほ、本当だ……まだ暖かい……
俺を庇って、生死を彷徨っている未梨愛。何とかして助けたい!!!!
幸い、まだ気絶してるだけだけど……止血が間に合わないと……未梨愛は…………そんなこと考えたくないけど・・・。
そうなってしまうのが怖い…………幼馴染を失うのは……いやだ。
まずいな、追手が迫ってきている。応急処置はしたけど
血が止まらないから薬局に行かないと……
なら俺が行くよ!!!
そうだな、ここはひとまず幹汰に囮になってもらうか……
本当なら設楽の役目だったんだけどな
幹汰君一人じゃ危ないわ!!私も付き添う!!
…いや、ここは……俺が……
未梨愛さんがこんな目に遭って……ショウくんは闘ったじゃない?私にも何かできるはず……
君に何ができるのかは知らないけど、設楽が目覚めたら手料理を振舞ってやってくれ……
ええ……
幹汰を頼むよ。
ここじゃ危ないから、“光射すあの場所“で待つ
そう言って、ショウは未梨愛を連れて“光射すあの場所”に向かった。
暗号なんて久しぶりだなぁ……多分、あそこだろう……俺にはその場所の在処が分かっていた。でも、飛坂さんは何のことを言っているのかわからない……
と言った顔をしていた……
光射すあの場所ってどこなの?
いまはまだ言えないけど、その場所を目指せばまたあの2人と再会できるよ……
2人にしか分からない合言葉みたいなものね?
確かに場所名を言ったら情報が洩れるのものね
そんな感じかな……
聞きたいことはいっぱいあったのに、2人になると会話が続かない…………
私の私生活が掛かっているのだから……仲良くなっておかないとッ……!!
かんっ……
何かいる?!
え・・・・・?
前から俊敏な動きで迫ってきたのは1人の女性だった。どこか……様子がおかしかった…………両目が赤く充血しているし、不気味なバッジが衣類に付着いていた…………“あの時“と似た感じがする……これは、ヤバイ
たす…………け……て……
こちらを見上げた顔は、どこかで見たことのある顔だった。
あれ、この人どこかで…………………………
私、この人インタビューで見たことあるわ!!!
そうか……あの時の……
顔が完全に一致してるもの……同一人物で間違いないはずよ……
その人がなんで俺たちを・・・・?
前の人はお金目当てだったようだけど。今回のは違うようね??
とにかく危ないから、飛坂さんは俺の後ろに隠れて……
幹汰君って童顔だけど、意外と男らしいのも・・・・・・???
自分が狙われてるこの状況で私を優先するなんて…………
た…………す…………け…………て
“助けて“ と言う女性は、俺たちに攻撃を仕掛けることはなかった……さっきと同じで“充血”に“バッジ”……あれが何なのか気になる………………
私を……ろ……して
…………え?
私を…………ころ…………して……………………
耳を疑ったが……言葉は合っていた。
「私を殺して」だったことが判明………………………………
俺は人を殺すことはできない。小さいころから恵まれてきたんだ…………
幼馴染や親友は俺を守るために手を血で染めてしまったが……
俺は……人殺しはできない。
できない……あなたを殺すことはできない…………
ころしてよ…………お願いだから…………
熱いの痛いの苦しいの!!!
さっきまで言葉を漏らしてただけなのに、いよいよ飛び掛かってきた…………
これは危ないと思って俺は初めて銃を手にした。そして_____
バンッ
生まれて初めて人を撃った…………。
ありがとう
女性はその言葉を最期に遺して意識が消えた。
う、うわぁぁぁっぁぁ!
初めて人を撃ったことに絶叫した彼…………
何としても人を撃ちたくなかった理由があったのだと確信した。
私の……ためにッ……ごめ、なさい……幹汰君…………