碧い栞と王子様#19

僕の名前は、ニ前洸。
今日はお気に入りの本が出るときいたので早速購入した!
いつも通る帰り道が騒がしい気がした…
何やら人だかりが出来ている?
有名人でも来ているのか?気になって最前列まで人を掻き分けて
観に行くと、そこには本城さんらしき人が倒れていた。

ドラマの撮影かしら?

でも…あんな女優見たことないけど

あれは明らかに本城さんだ。
僕が彼女のリボンを拾った………
周囲を見ると悲鳴をあげるだけで誰も救急車などを呼んでいない
こういう時、人の本性が出るんだと確信した
彼女の周りには黒髪の男女と青髪の男児が居て
黒髪の男性はこの状況を把握しながらも焦っていた。
倒れている人が仮に本城さんじゃなくても今の世の中には
“助け合い”が必要だ。僕は前に出て駆け寄った

だ、大丈夫ですか?

救急車を呼んで下さい、俺は警察を呼びますので

わかりました!もしもし…

すぐにポケットから携帯電話を取り出して救急車を呼んだ。
救急車が来るまで本城さんを見守りたいと言ったけど
青髪の男児に『後はこっちでなんとかする、助かった』
とやんわり断わられてしまった。
そのあと、救命士から連絡が来て

45分後に救急車来るそうです

ありがとうございました!

僕は、役割を果たした後その場を立ち去った。
でも…すごく気になっている
あのあと、ネットでもテレビでも話題になってたけど
本城さんは無事なのだろうか??
無事ならそれでいいんだ…。
僕は所詮、本城さんを図書館で見かけてただけで
偶々落し物を拾った存在…………
彼女には、僕がどう映っているんだろうか?

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あれ、患者さん達は…どこへ?

ふー!危なかったーー、すどーお前なんでもできるのな!

余は大精霊じゃぞ?

あ、そういえばそうだったわ

須藤達は救命士が目を離した隙に本界へ移動した。
本界に到着するとそそくさと詩織に駆け寄っていく頁次

久しぶりだな…頁次よ

お久しぶりです、ストーリー様
人間界は如何でしたか?こちらは伽羅の躾が終わったところです

それは何よりだ…
余もそれなりに楽しめた。詩織の様子だが…

存じております…モニター越しで一部始終を拝見しておりました。

後は頼んだぞ

はい

おい、ちょっと待てよ!詩織をこのままにして自分はどこに行くんだ?

余は会議に出席しなければならぬ。名残惜しいが後はお前たちですませ

そんな、あんまりだぜ!

“それ以上、ストーリーに楯突くな”と言わんばかりに
頁次が木時に攻撃をした。
木時が驚いた反応を見せるとその隙にストーリーは一瞬で姿を消した。

木時、言いたいことは分かるけどストーリー様を貶してはダメ

貶してなんか………

ここは本界、精霊界とは通じている。わたしが報告すれば
あなたを本界から追放することもできる…

…弁えろってことだな?

ええ、今は耐えて。あの方もおうびには相当怒っているはず

本界から精霊界へと移動したストーリーは
秘書を呼び会議の準備が始まった。

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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