学院怪談忌  背後に潜む妖魔 ACT2-2 救出 Rescue

どうやらここは、妖やモンスターが出てくるという設定で経営しているらしい

ただ脱出すればいい、口では簡単だが意外と難易度が高いのだ

俺は気づかれないように彼女たちの後を追う。

(……マジの霊もいるようだ。気を引き締めないと)

最近視えるようになったのか自分でも驚いていた。

だからって全然怖くはない、霊的なモノが嫌いなだけだ。

その時だった。

「きゃあああああああっ」

「やだ……足が動かないっ」

「シアさんは? ねえ、黙ってないで助けてよ!」

彼女たちは顔を青ざめてパニックに。

シアは誰もいない方向に向かって話しかける

やめて……困っているだけじゃない。かわいそうよ

よく見ると、青白い顔の少年が彼女たちに向かって襲いかかる

悲鳴は収まらず、彼女たちはシアを置いて逃げ出した。

途中で人形が動きだしたり、人魂がゆらゆらとついてくる。

ぐっ……!

一人取り残された、シアはしゃがみ込み目を閉じる。

仕掛けがまるで本当に動いているかのようだ

それらが彼女の目の前に迫りだした時。

えっ……

せえいいい!

俺は急いで走り、彼女の手を繋いだ。

ふう……危なかったぜ

どうして、あなたが……?

シアが目を丸くする。

あいつらを驚かせようと作戦は失敗したが、シアが残ってくれたから俺的には好都合だった。

大丈夫か?

え、ええ……

俺は彼女の手をぎゅっと握り体制を立て直す。

コマウォヨありがとう。えっと……

俺は城ケ崎狂哉だ。同じクラスだろ

私、ソ・シア。狂哉君はどうして助けてくれたの?

手を放し、シアの方を見つめる。

やっぱり震えてる、今まで我慢しているようだ。

理由はねえよ。ただ、あんたを見ていたら放っておけなくて

そう……

(俺の高身長でビビってんのか。だが、こいつは逃げるそぶりはないようだ)

確かにそうだ。

俺はデカいしバスケ選手かと思われるほど。

ちっ……あいつら、あとで懲らしめる予定だったんだが。ケガはないか

クェンチャナ大丈夫よ。優しいのね

シアは小さく微笑み、やっと笑ってくれた。

だがすぐに険しい顔になる。

けど……私のことを魔女って言うのでしょう?

言わねえよ。シアが魔女だろうがオカルトに詳しいが関係ねえ

その言葉を聞いたのかシアは驚き、気がつけば両目から涙を流していた。

人魂がこっちにゆらゆらと流れてきて、まるで俺らを励ましているみたいだ。

おかしいわ……なぜ? あなたに、そう言われたの初めて……どうして

だから気にすんな。俺が友達ダチになってやる……守ってやるからよ

シアは泣きながら俺の方に抱きつく。

彼女が落ち着くまで俺は離さない。

俺は彼女を守ると、そう決めたのだから

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幽刻ネオン

はじめまして、趣味は読書(ミステリー、ホラー、怪奇小説)とゲーム(リズム、ノベル)です。最近までネットで小説をかいていました。自閉症、トランスジェンダー持ちではありますが、無理なく仕事ができるように訓練しています。スピリチュアル(占いなど)が好き。 アニメ(ラブライブ)やゲーム実況(にじさんじ)にはまってます。 紡ぎ手として様々なことに挑戦していきたいです。

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