猫耳少女は夢をみない。#2

#2   「国民の願い」

これが、ルージャが言っていた掲示板か。

俺は、教えてもらった掲示板のあるべき場所に着いて
猫耳族のイベントや忘れ物など情報源を入手することができた。
俺たち、王族は国民から嫌われているが
最も毛嫌いされているのはギリタンラン王国の国民ではなく
パナニエル王国の国民に嫌われている。
嫌われている理由は、俺の兄だ…
以前に、パナニエル王国とギリタンラン王国の王族会議が生中継されることがあった。
もちろん名前と顔も映る。
そのことも兄は分かっているのに、
パナニエル王国の姫君を会議中に口説いたことが中継されて、
それで全国民をほぼ敵に回した。
俺は、兄の尻拭いではないが
失った信頼を取り戻そうとこうして動いている。

これでよし!!

貼り紙を貼ったら、周りがなんだか騒がしくなった。
俺に向けての声や視線ではなく掲示板の内容をみてかざわめきだした。

なんだ?

俺は掲示板から離れると続々と猫耳族の住民が掲示板を見に来た。
そして、ある貼り紙の話題が沸騰した…

また、出たんですって・・・?

怖いわ…

うちの子、両眼赤いから心配だわ…

最近よく…出没しているわよね…

今度のイベント大丈夫なのかしら・・・

話し声から察するに恐らく俺が今朝遭遇した視察の件なのだろう………
貼り紙を貼る前にその案件にも目を通しておくべきだった。
両眼赤いと・・・何かあるのか・・・?
ちょっと勇気を出して、
猫耳族に声をかけてみようとしたら案の定逃げられてしまった……
そう簡単には話してもらえないか…。
でも話してもらえないと、いざというときに助けにいけないんだけどなぁ…………

ねぇ、おにぃちゃん……

猫耳族の子供が話しかけてきた。俺は視線を子供に映す

どうしたの?

おにぃちゃん、王族の人でしょ?

そうだよ……

お願いがあるんだ…僕の友達を助けて!!

子供は泣きながら乞う…
状況から察するに他の猫耳族が脅えていた件で間違いはないだろう
この子の友達と言っても、
“両眼が赤い猫耳族“しか情報がないと助けられない…
俺は子供にハンカチを渡しながら質問をした。

落ち着いて。君の名前は?

ヘンリー

ヘンリーだね?お友達の名前は・・?

ラナ!!

ラナ…

これで少し情報がわかったぞ…
狙われている赤眼の猫耳族の名前は、ラナ
ヘンリーの友達なら年齢が同じくらい…
こんなに、小さい子を狙うのか…やつらは。

ラナがどこにいるか分かるかい?

さっきまで一緒に遊んでいたんだ…。
ボール拾ってくるから待っててって言われて
待ってたけど・・・戻ってこなくて…

パナニエル王国は、警察署がない。
こどもの言うことでも聞いてくれるのが掲示板ということか・・。
そこも改善点だな…

ラナがいなくなった場所は覚えてる?

こっちだよ…!

俺はヘンリーと一緒に狙われているラナがいなくなった場所へ向かう
行く先は、とても薄暗く人気のない場所だった。

もうすぐ夜の刻に時計の針が回る。
それまでにラナを見つけないと!!

ラナーーーーーー

何もない薄暗い道なのに、
歩くたびに不気味なチャプチャプという何かが滴る音が響いた。
俺は懐から懐中電灯を出して足元を照らすと血の海だった。

う、うわぁぁぁぁ

急がないとラナが危ない!!

待って!

俺の裾を引っ張ると同時に女性の声が後ろから聞こえた。
その声は聞き覚えがあり…
振り向くと知っている人物だった。

ルージャ!なんで、ここに!!

この洞窟にあなたたちが
入っていくのを見たからついてきたの!

真っ暗でほぼ何も見えないけど危険なところなんだろ?

そうよ。
王族には知らない情報がいっぱいなんでしたっけ?
だったら、教えてあげる…
ここは死呪怨。
私たち、猫耳族をハンターが狩る場所よ…
瞳だけくりぬかれた子もいるし、
ショックでその場で亡くなってしまう子もいる
ここに連れてこられたら最悪・・・
助からないわ

そんな…じゃ、ラナは・・・?

なんですって?いまラナって言った?

何かあるのか・・・?

ラナは、私の幼馴染よ…

ラナは、ヘンリーの友達でもあるがルージャの幼馴染でもあった。
俺たちは話しながら灯りをつけ先に進むと
ハンターと呼ばれるやつらの話ごえとラナの声が聞こえた。
この、瞳狩りを終わらせないと猫耳族は減る一方だし国民も脅えずにすむ。
俺は、この案件に命懸けで挑んだ

つづく

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水樹

最初に絵を描き始めたのは小学生の頃でした。 それから、自分の世界観を文字におこしたり、絵にするのが趣味になっています!!

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