カレームの料理を再構成した人
前のブログにて、フランス料理を体系化したのは「アントナン・カレーム」というお方とお話したと思います。
さらに、そのフランス料理を再構成した「オーギュスト・エスコフィエ」というお方のお話を今回のブログでは書いてみたいと思います。
フランス料理の画像
アントナン・カレームというお人は、フランス料理を豪華絢爛なものに体系化したお方ですが、
エスコフィエというお人は、カレームの料理を単純化し、調理法を体系化したという功績があります。
また、シェフという職業の地位をそれまでより飛躍的に引き上げた、という功績もございます。
フランス料理がコースで一皿ずつ出されるようになったのも、このお方の影響だそうです。
今でも、名シェフの称号として、「エスコフィエの弟子」というものが与えられております。私の知人の某ホテルの料理長さまも、この称号をもっておられます。
ちなみに、この2人のフランス料理の巨人のお名前は、
アントナンは「貴重な」という意味、「オーギュスト」は「尊厳なるもの」という意味になっております。どちらもラテン語由来のお名前です。
フレンチの巨人のコンプレックス
エスコフィエというお人は、西洋人の基準ではかなり身長が低い人だったため、背の高いシェフの帽子を考案して厨房で指示が通りやすいようにし、それが評判になってフレンチのシェフの制服のようになった、という逸話もございます。
筆者としては、身長が低いことなど気にしなくてもいいのに、懐が問題、とこの件に関してコメントしたところ、聞いていた知人が慄いていたのがなにゆえか、いまだにわかりません。
この方々の文献が日本人のイメージにもたらしたもの
もっとも、この方々が書いた文献に、「日本人は土間で粗末な料理を作って食する民族だ」というような記述があった為、東京オリンピックの時や、昔日に海外に旅立った日本人が結構迷惑な目に遭ったということもあったそうです。
とはいえ、今では「エスコフィエの弟子」の称号を持つ日本人も多くなり、また、偉大な帝国ホテルの初代総料理長、村上信夫様が、東京オリンピックの時に日本人の料理について大いに名をあげてくれた為、そのようなことはほぼなくなったようです。
「おいしさに国境はない」そうなので、これからも、各地の料理がお互いの土地に知られるようになり、新たな美味が生まれることを願ってやみません。
エスコフィエについて