物語に出てくる「料理」への疑問
皆様は、「ピーターラビット」の絵本を読んだことはおありでしょうか。
筆者は子供の頃に好きで、よく読みました。後年にアニメーション化された時もうれしかったものです。
しかし、筆者には疑問が一つありました。
「ひげのサムエルの話」という物語で、ネズミの夫婦が子猫をプディングにして食べようとするというちょっと怖い描写がありました。
その猫入りプディングの形をみると、「ローリー・ポーリー・プディング」のようなのですが、これはジャムを入れて甘くするものではないかな、と筆者は長年思っていたのです。
もしかして、猫にジャムを塗ってからプディングに作って蒸す予定だったのだろうか、などと考えておりました。
しかし、後年になって文献を調べてみると、ベーコン入りなどのセイボリー(塩味)タイプも作られていた過去があったことがわかり、長年の疑問がやっと氷解しました。
そのうち、このジャムローリーポーリープディングも作ってみたいと考えております。
ローリーポーリーに似た欧州や植民地のお菓子や料理
イタリアでも、ベーコンや豆を生地で巻いて円形に成形して焼くピクニック用の料理があったりするので、どこかでつながっているのかもしれません。
また、このローリーポーリーという料理は、英国が植民地化した地域にも伝わり、独自の進化を遂げたものもありました。
南アフリカの一部では、ジャムローリーポーリーの形に作った後、いくつかに切り分けて器に並べ、オーブンで焼く、という形になっております。こちらでは、蒸すには水が足りないというような事情があったのかもしれません。
日本でも中国の料理がラーメンや中華まんとして発展したように、これからも各地の料理がフュージョンしておいしいものがたくさんできていくのが未来の料理世界なのでしょうか。期待が持てます。
ローリーポーリー・プディングについて