「お箸を刺す」盛り方の謎
皆様のお家には、仏壇はあるでしょうか。
筆者の家にはないのですが、
仏壇にお供えするご飯の盛り方には、興味を持っておりました。
仏前のお供えの一例
ご飯を山盛りにしてお箸を上から刺す盛り付け方です。
フリーの画像では出てこなかったのですが、大体日本各地で行われていると思います。
もちろん、小さいころ、ご飯の上にお箸を立てると家人に注意されました。
「貴族」として仏様をおもてなし
この変わったご飯の盛り方の起源を知りたいと前々から思っていたのですが、成長してから文献にあたると、
平安時代の貴族の宴席の時のご飯の盛り方と同じであることがわかりました。
つまり、仏様を「貴人の宴席」のスタイルでおもてなししていることになっているわけです。
栄養失調が多かった平安貴族
とはいえ、当時の平安貴族は現代人よりも栄養学の知識は乏しく、また、食べ物に興味があるそぶりを下品とみなす傾向もあり、白米をたくさん食するのがステイタスとされていたので、
ほんの少しのおかずと大量の白米を食べる生活を行っていたため、脚気や栄養失調で20歳台で死亡する人も珍しくなかったという話も書いてありました。
枕草子を書いたとされる清少納言が仕えていた中宮定子様がお産のあとすぐに亡くなった事や、紫式部が書いたとされる源氏物語で若い女性が次々と死亡する描写があるのは、こういうことも一因なのかもしれません。
現代人の栄養不足
しかし、現代人も平安貴族を批判する資格があるかどうか、微妙だと筆者は思います。
今、日本人の摂取カロリーは、平均すると先の大戦の頃より低い、というデータがあるからです。
痩せているのがいい、という価値観のためか、炭水化物の制限が昨今度が過ぎるように思います。
ビタミン類の体内における分量もあやしいものです。
どの時代にも欠点がある、ということですが、栄養学の知識が簡単に得られる現代だからこそ、健康的な生活を目指して適切な食生活をとるべく努めたいものです。
平安貴族の食生活
現代日本人のカロリー摂取量について
https://diamond.jp/articles/-/348448
ビタミン不足について