「中近東起源」の南蛮漬け
皆様は、「南蛮漬け」はお好みでしょうか。
筆者も好きなのですが、魚を揚げるひと手間とその後の油の処理に困るので、なかなか作らずにおります。
南蛮漬けの画像
ご存じのお方も多いでしょうが、この料理は、南欧の「エスカベージュ」が日本風にアレンジされたものです。
しかし、南欧で発明された料理というわけではなく、
もともとは中近東に広く伝わっている料理でした。
そして、さらに源流をたどると、ササン朝ペルシャの「シクバージ」という料理にたどりつきます。この料理は、セビーチェやフィッシュ・アンド・チップスにも影響を与えたといわれております。
食が細い人が栄養を取れる料理
なんでもこの料理は、食が細い傾向にあった当時の名君、ホスロー1世の好物だったそうです。酸味で食欲を刺激し、こってりした肉や魚を食べやすくしていたのでしょう。
現在でも、腎臓疾患で食事の量に制限のある人には、ジャガイモはフライドポテトにして供したりして、カロリーを保って栄養をとれるように工夫したりしているようです。
晩年の徳川家康様も、食欲を刺激する為にタイの天ぷらにニンニク醤油をつけて食する、という方法で栄養と元気をつけようとしていたようですが、当時の文献を読んでみると、徳川家康様は胃がんだったようで、これでは完全に逆効果だったでしょう。そのうえ、医師の反対を押し切ってトリカブトを含む薬剤を服用していたようで、これで寿命を縮めたようです。
鳥の出汁で炊いたおかゆや茹で野菜を食し、キハダ製剤を飲んでいたら、もう半年くらいは寿命を伸ばせたのではないかな、などと筆者はたまに残酷なことを考えております。
簡単なエスカベージュ
とはいえ、昨今スペインのレシピで、揚げ物をせずに作れる鶏肉のエスカベージュを見つけたので、それは常備菜としてたまに作り、重宝しております。酢をいれて煮込んでいるので、日持ちして助かるのです。忙しい皆様も作ってみられてはいかがでしょうか。
シクバージについて
https://www.bimikyushin.com/chapter_4/04_ref/sikbaj.html
鶏肉のエスカベージュ